PiPi's World 投稿小説

世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 143
 145
の最後へ

世界の中心で平和を叫ぶ。 145


「じゃ、オレらも一丁いいところ見せますか」
「うむ。啓太殿、我らの腕前、とくとご覧ください」

そんな中、先ほどの失態を取り戻そうとビーストとナイトメアがいきなり上着を脱ぎだす。
部下たちと違い、後から入ってきた2人はTシャツにGパン、袖を縛った浴衣姿でそれぞれ戦闘準備を始める。
それにあわてたのは啓太だ。
ただでさえスタイルのいい2人だ。
これで色っぽいところを見せつけられたら性欲を押さえつけられる自信はない。

「ゆ、夢ッ!?こ、ここはいいから次行こう、次っ!」
「あら、もうよろしいんですか?」

あわてて逃げ出そうとする啓太に、夢は少々残念そうな顔をする。
その理由は・・・言うまでもあるまい。

「え〜っ!?もう行っちまうのかよ、大将?」
「そうですよ。せめて我々の組み手を見ていくだけでも・・・」

作戦部の連中も、主がいなくなると聞いて口々に不満を漏らす。
・・・アンタら、仮にも怪人なんだからもうちょっとそれらしくふるまえと言いたくなる光景である。

「うるさいっ!こっちはまだいろいろ見て回るところがあるのっ!」
「まあまあ、主殿。そう言わず残っていってくだされ。
 せっかく我が警備部が作戦部に稽古をつけてもらおうとやってきたのでざるから」
「へ?」

突如、部屋が暗くなったかと思うと、背後から聞き慣れない野太い声が聞こえてきた。
女性とは思えないその声に、啓太が振り返ると・・・。
そこには大きな壁が立っていた。
否、それは壁ではない。
4メートルはありそうな巨人がいつの間にか啓太の背後に立っていたのである!

「うわわっ!?」
「『ベンケイ・ウォール』。なぜあなたがここに?」

突如として現れた巨漢に慌てふためく主を尻目に、バルキリーが啓太とは違う驚きを見せながらそれに問うた。
ベンケイ・ウォールと呼ばれた怪人は布で顔を覆った覆面の奥から豪快な笑みを浮かべて答える。

「何、いつものように作戦部の連中に稽古をつけてもらおうと思うて来ただけござるよ。
 戦闘を専門としているのは我が警備部の他にはここしかないのでな、ヒマを見つけてはこうして稽古をつけてもらっておるのでござるよ」
「・・・私の人事部も荒事専門・・・」
「そちらは抜け駆けする連中の相手で忙しいのでござろ?
 なら作戦以外はヒマを持て余しているここが1番いいのでござるよ」

イブのつぶやきに、ベンケイ・ウォールは明るく答える。
しかし覆面で隠された顔は本当に笑っているのかはわからない。
ベンケイ・ウォールがイブたちと話をしているスキを突いて、啓太は夢に状況の説明を求めた。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す