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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 141

そんな中、啓太に声をかけたのはイブだった。

「啓太さま。そんなに気にしないで、いい。
 私たち、あなたのおかげでとても、幸せ」

出会ってから初めて聞いたイブの言葉に啓太は、少々面食らう。
口が利けたのか、というのもあったが、そんなことより・・・。

「啓太さま、到着しました。
 ここがビーストとナイトメアが担当する部署。
 作戦部になります」

イブの声のことを考えようとするより早く、夢は啓太に目的地への到着を告げた。
啓太はイブの声が少々気になったものの、すぐに気を取り直して作戦部の入り口を開いた。
するとそこでは・・・。

「ふっ!」
「甘いっ!」
「ぐわっ!?」

啓太の目の前で何組かの怪人たちが実戦稽古に明け暮れていた。
作戦部。ここは新組織の力の象徴にして、組織の顔となる花形部署だ。
敵組織の壊滅や野良怪人の退治など、もっぱら荒事を担当する。
そのせいかこの部署の連中は血の気が多い。
部長は血気盛んなビースト。
そしてその補佐として副部長のナイトメアが彼女たちをまとめている。

「オラ、おめえら!いつまで訓練にやってやがる!!
 ウチらの大将がをお迎えしねえかっ!?」

ビーストの怒声に怪人たちは訓練をやめてこちらを見る。
そして啓太の姿を確認するなり、キャーキャー言いながらあわてて啓太を出迎えるべく、大急ぎで整列し始める。

「も、申し訳ありません、啓太さま!
 お恥ずかしいところをお見せしましたっ!!」
『申し訳ありませんっ!!』

わずか数分にて出迎え準備を済ませた怪人たちは代表の言葉に続いて謝罪する。
その見事なまでの連携に、啓太はただただ呆然とするしかない。

「・・・ったく・・・。ちょっと目ぇ放すとすぐこれだ。
 せっかく大将に来てもらったのに台無しだぜ?」
「まったくだな。気を引き締めるために訓練メニューをもう少し厳しくしておくか」

愛しの啓太のご登場に顔を赤くする怪人たちが、上司2人の言葉に顔色を真っ青に変化する。
お願いだからやめてと言わんばかりの様子で首を横に振るものまでいる。
いったい2人は普段どんな訓練を彼女らにさせているのだろうか?
そもそも彼女らは訓練に夢中になっていたわけで、決して遊んでいたわけではない。
まして自分のせいでひどい目に遭うのなら、なおさら止めてやらなくては。
啓太はそう思ってビーストたちに声をかける。

「いやいや、そこまで厳しくしなくてもいいよ。
 彼女らだって遊んでいたわけじゃないし」
「た、大将!?」
「なりません、啓太殿。ここで甘やかして示しが・・・」
「上官命令」
「「ぐっ・・・!」」

反論しようとする2人に、啓太は鶴の一声で黙らせる。

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