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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 137


(・・・夢のヤツ、みんなにいったい何をしたんだ?)

ふと啓太の脳裏にそんな疑問がよぎる。
だが自分の命も惜しいので、具体的に何をしたのかを知ることは永遠にないだろう。たぶん。

「・・・ああ、そうそう。啓太さま?
 いくら働く怪人たちが魅力的だからってくれぐれも襲ったりしないでくださいよ?」
「するかっ!?つーかオマエ、オレをどーゆー目で見てるんだよっ!?」
「それは失礼しました。
 今、この施設には女怪人しかおりませんから、少々心配だったんです」
「・・・はい?」

ちょっと待て。
何か今、ものすごく大事なことをさらりとおっしゃいませんでしたか、夢さん?

「すみません、夢さん。
 今のセリフ、もう1回言ってもらえます?」
「はい。『それは失礼しました。
 今、この施設には女怪人しかおりませんから、少々心配だったんです』」
「・・・夢。オレの記憶が確かなら、確か、この組織には男の怪人や性別不明の怪人がたくさんいたはずなんだが、彼らは一体どこ行ったんだ?」
「彼らには人間への変身能力を付与した後、ちょう報員として各地に飛ばしました。
 この施設は啓太さまを守る城であって、怪人たちの駐屯基地ではありませんので」

夢の発言が終わるのと、啓太はどこからか取り出したハリセンが夢の頭に叩きつけられるのはほとんど同時であった。
乱宮啓太、そのツッコミ能力はいまだ健在であった。

「お〜の〜れ〜は〜ッ!?
 オレのためとか言って、何やらかしてくれとるのかなぁ〜ッ?」
「ひ、ひだっ!?ひだいれふ、へ〜はははぁっ!?
 (訳:い、痛っ!?痛いです、啓太さまっ!?)」

啓太は怒りに任せ、夢のやわらかほっぺたをつまんでぐにぐにと引っ張りまわす。
初めて味わうほっぺたを伸ばされる痛みに、さすがの夢も痛みに悶える。
それにしてもほっぺたつねられて悶える怪人って・・・。

「け・・・啓太さま、もうその辺で・・・!」
「ゆ、夢殿も決して男の怪人たちをないがしろにしていたわけではないですから・・・!」

空とナイトメアになだめられ、啓太はようやくほっぺたから手を離す。
しかし啓太のその目にはまだ怒り冷めやらぬ炎を宿したまま。
身の危険を感じた夢は真っ赤にはれ上がったほっぺを揉みながら事情を説明することにした。

「いたた・・・。啓太さま?早とちりしないでください。
 私が男の怪人たちを外に送り出したのは、決して啓太さまにオイシイ思いをしていただくためだけではないのです」

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