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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 121

まず、啓太はMRIやCTスキャンによって体を調査された。さらに血液検査が行われた。

結果は翌々日に出た。 
夢が言う。
「健康面の問題はありませんね。これなら設計通りに改造できます。外見は人間時代と変わりませんから、大学にも通えますよ。」
「ありがとう。大学はきちんと出ておきたかったんだ。」
「さあ、それでは始めましょう。」
夢、ほかに数人のメンバーとともに、啓太は手術室に入り、手術台に横たわる。
全身麻酔により眠りについた啓太に、手術が始められた。
 
「ここをこうして・・・・電気メス!」
「はい。」
 
「オプションとしてフェロモン放出機能装着を行う。用意はいいか。」
「はい。こちらに。」
 
「耐放射能遮蔽、内蔵装甲取り付け、開始。」
「はい。」
 
手術は11時間に及んだ。
 
「う・・・・」
啓太が眼を覚ました。
「手術はどうなったのかな・・・。」
早速自分の体を調べだす啓太。体のあちこちを動かしたり、見てみたりする。だが外見上はほとんどどこも変わっていなかった。
 
そこに夢たちが啓太の部屋に入ってきた。
「啓太様、お目覚めですか。手術は無事終了しました。」
「本当に?どこも変わったようには見えないんだけど・・・。」
「ではこちらへどうぞ。」
夢が誘った。
 
そこは広い部屋で、天井・床・壁を頑丈そうな合金で作ってあった。
あまり物は置かれてなかったが、一つ、眼を引くものがあった。戦車である。
「夢、これは?」
「旧ソ連で開発された戦車をウクライナが改良した、T-84です。125ミリ滑空砲を装備し、装弾筒付翼安定徹甲弾などの強力な砲弾が発射可能な現代の主力戦闘戦車です。」

「啓太様の体は現代の主力戦車の主砲零距離射撃やナパーム弾による爆撃に耐えられるように強化してあります。その強度測定のため、啓太様を試射させていただきます。そちらの床の赤いマルの上にお立ちください。」
「オ、オイ・・マジかよ・・・・」
「私は今回の手術に絶対の自信を持っております。」
自信たっぷりに言い放つ夢。ほかの怪人たちはある者は不安げに、ある者は冷静に様子を見ていた。
「ええい・・・・ともかくやってみるか!」
そう言い捨てて啓太は目印の上に立った。
「良し、始めるぞ!」
夢は戦車に向けて叫んだ。
啓太は恐々としながらも眼を閉じて身構えている。
いつの間にかレシーバーを着用した夢が言う。
「最初は装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)だ!撃て!」
APFSDSとは、細長い針状の弾体を打ち出す強力な運動エネルギー弾で、エイブラムスやメルカヴァといった現代の主力戦車を撃破しうる強力な砲弾だ。
ドン!発射音と同時に、啓太の体に衝撃が走る。
ガン!
「うっ!」
衝撃に押され、わずかに呻く啓太。
「あ、あれ・・・?」

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