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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 118


「・・・・・・フッ。フフッ。アーハッハッハッ!!」

笑った。おもしろくておもしろくてたまらない。
そう言わんばかりに大声で笑った。
狂ったように笑う正義の味方に啓太はポカンと呆け、赤毛美女は怒り、他の怪人たちは緊張した面持ちで彼(?)を見つめていた。

「コイツは傑作だ!
 今までいろんなタイプの怪人と会ってきたが、こんな奴らは初めてだ!
 自分たちは無害です、なんて言った挙句に見逃せ、なんて!
 アーハッハッハッハッ!!」

啓太たちを声高らかに嘲笑していた正義の味方は、笑うのをピタリとやめると、剣の切っ先を啓太に向かって突きつけた。

「笑わせるのも大概にしろ、この社会のゴミクズどもが・・・!
 悪事は働かない?そう言えば見逃すとでも思ってんのか!?
 お前らが怪人で、そいつがお前らと関わっている以上!
 お前ら怪人も!そのガキも!この世から消え去るべき悪党に過ぎねえんだよ!」
「・・・ッ!!」

その言葉に、啓太は信じられないものを見たかのような表情を浮かべた。
正義の味方とはこの世の秩序を守る選ばれた存在。
子供たちの憧れの的だった。
なのに現実はどうだ。
怪人であるというだけで鈴たちを悪と決めつけ、その命さえも奪おうとしている。
これでは世間で暴れている悪の組織の連中と何も変わらないではないか・・・!!
衝撃を受け、よろめく啓太。
その様子に鈴と空は悲しみ、赤毛と紫ロングは憤る。
そんな中、ミニマム少女と同じく顔色1つ変えない黒髪ポニーは静かに口を開いた。

「・・・ではどうあっても見逃してもらうわけにはいただけぬ、と?」
「おまっ・・・!この期に及んで・・・!!」

赤毛美女は抗議の声を挙げるも、皆まで言わせずに手で制す。
だが帰ってきたのはこれ以上ないほどに冷たく、予想通りの答えだった。

「くどい。貴様らが無実というなら、その男を引き渡し、貴様ら全員自殺しろ」
「っンの野郎!下手に出てりゃつけあがりやがっ・・・て?」

我慢の限界だとばかりに、赤毛が襲いかかろうとしたその時、周囲の雰囲気が一変した。
あれほど息巻いていた赤毛も、怒りを忘れたかのように黒髪ポニーを見つけていた。

「・・・申し訳ないがそれはできない。
 我々の全てはこの乱宮啓太さまのものだからな。
 したがって卿(けい)には悪いが・・・」

黒髪ポニーはそう言いながら、右手で左手首をつかんだ両手を眼前にかざす。

「全力で抵抗させていただくっ!」

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