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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 113

沢渡はそう言い捨てると、きびすを返してその場を後にする。
おそらく乱宮啓太を使って怪人を引っ張り出すつもりだろう。

「・・・若いな」

残された中年警官は懐から携帯を取り出し、ある場所に連絡を入れる。

「・・・こちら、鬼瓦です。乱宮啓太を発見しました。
 また沢渡が私の監視を離れ、単独行動を取り始めました。
 一暴れする恐れがありますので、指定の場所に至急事後処理班と救護班をよこしてください」

初めてその名を明かした中年警官、鬼瓦は慣れた手つきでこれから起こるであろう、騒ぎの処理を進めていった。

――――――――――――

その頃。腰を抜かしていた啓太はどうしていたかと言うと。

「間に合ってよかった・・・!」
「大丈夫でございますか、啓太・・・君?」
「え?え?」

再び啓太は注目の的になっていた。
いや、正確には啓太が、ではない。
啓太に手を差し伸べているポニーテールの黒髪美女と、紫色のロングヘアーの美女が、である。
それは数十分前、夢によって放たれた精鋭部隊、そのうちの2人である。
しかしそんなことなど知る由もない啓太は、ただただその目を白黒させていた。

「そ、その・・・あなたたち、一体どちらさまで?」

至極当然の質問に、美女2人は実に対照的な反応を見せた。
黒髪ポニーテールは苦笑し、紫ロングの美女はあからさまに落ち込んでいる。

「あの・・・失礼ですが、どこかでお会いしましたか?」
「ええ、確かにお会いしています。
 でもそんなに気にすることはないですよ。
 その時と、今の姿はあまりに違いすぎますから」

あまりに正反対の反応に、啓太がおずおずと尋ねると、黒髪の少女は苦笑したまま、そう答えた。
しかしその答えでまだ納得できないのが啓太。

(以前に会った?どこで?
 いくら以前とは違う姿だからって、こんなすごい美人なら忘れようもないはず・・・なんだけ・・・ど?)

そこまで考えて啓太はあることに気づく。
そうだ。確かに自分の知り合いの中に極端に外見を変えられる連中が、いた。

「あの・・・もしかして、あなたたちは・・・?」
「ご明察です。我々は夢さまよりあなた様を護衛するために参りましたものです」

夢の名前を出され、啓太の表情にかげりがかかる。
だが相手はそれを意に介さず言葉を続ける。

「名前を名乗りたいところなのですが、我々にはまだ人間としての名前がありません。
 できましたら啓太さ・・・んにつけていただけると幸いです」

落ち込んでいる相方など視界に入っていない様子でそう言う黒髪少女は、何かを期待するような、無邪気な笑顔を満面に浮かべていた。
しかし啓太はあえて心を鬼にしてこう言った。

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