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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 107

大学に受かり、このマンションへ引っ越してきた日のこと。
日々大学に通う平凡でまじめな一学生だった日々。

「そうだ・・・大学いかなくちゃな。」
もう一週間も無断で休んでしまったのだ。単位が危うくなりかねない。
そうと決めると彼は自分の部屋に戻り、支度した。
怪人に襲われ、ボロボロになったはずの我が家は、いつの間にかキレイにされて主人の帰りを待っていた。
おそらく怪人に襲われたことで、国かどこかから補助金でも出たのだろう。
まるでこの部屋に越してきたばかりのような状況に戸惑いつつも、啓太はバッグに教科書・ノートを放り込んで大学に向かう。
啓太の通う大学は『上武工業大学』と言い、就職率だけならどこにも負けない、3流大学だ。
啓太のマンションから徒歩で15分くらい離れたところにある。
今の時間帯ではもう1時間目の授業には間に合わないが、そんなことは言ってられない。
留年確定を避けるために、啓太は全力で通い慣れた道を疾走する。

(何か・・・懐かしいな。1週間くらい来なかっただけのに)

ほんの1週間前まで通っていた道。
それなのに何年かぶりに通るような、新鮮味にも似た懐かしさを啓太は感じていた。
それは彼がどれだけ一般人とかけ離れた生活を送ってきた証拠。
それに気づいたとき、啓太の頭の中に夢たち3人の顔がふっと頭をよぎる。
だが啓太は首を振ってそれをあわてて打ち消す。
彼女らにもう自分は必要ない。
自分は元の生活に帰るんだと自分に言い聞かせ、啓太は大学の入り口をくぐっていった。
教室では案の定授業が始まっていた。
5分や10分くらいの遅刻なら入ることもできようが、30分近くの大遅刻をした状態で教室に入る度胸は啓太にはない。
仕方なく啓太は次の授業まで時間をつぶすことにした。

(さ〜て、どこで時間を潰そうかな?)

啓太は少し考えた後、食堂に向かう。
あそこならテレビや雑誌が見れるし、飲み物・食べ物も確保できる。
昼時なら席の奪い合いが行われる戦場と化すが、今の時間帯なら大丈夫だろう。
思い立ったが吉日、啓太はさっさと食堂に向かった。

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