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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 102

「だからオレが拭き取ってやろうとしたんじゃないかッ!!」
「治療しようとしたものが同じようになったと説明したことをお忘れですか?」
「だからっ!触んなければいいんだろっ!?
 触りさえしなければ・・・!」
「バカなこと言わないでくださいっ!!」
「!?」

後ろから空に怒鳴られ、驚く啓太。
周囲の怪人たちも、母である鈴でさえも驚いて彼女を見ている。

「啓太さまがいなくなったら、私たちはどうすればいいんですか・・・!」
「な・・・何言ってんだ、こんな簡単なことくらいで俺が死ぬわけ・・・」
「啓太さまは怪人の力を甘く見すぎです!
 人間の何万倍も優れた肉体を持つ戦闘型の怪人でさえ。どうにもできなかったんですよ!?
 人間の啓太さまなら近づいただけでどうなるか・・・!」

感情を抑えきれず、ポロポロ涙を流しながら啓太に訴える空。

「啓太さまは、エック、私たち、怪人の希望なんです・・・!
 私の、ヒック、大事なご主人様なんです・・・!
 お願いですから・・・ヒック、もうこんな危ないことしないでください・・・!
 啓太さまのためなら・・・何でもしますからぁ・・・っ!」

そう言うと、空はその場で泣き崩れてしまった。
母、鈴が娘に啓太が無事であることを諭して安心させようとするが、泣き止む気配は見えない。
対する啓太はどうすることもできずに、ただ立ち尽くしていた。
他人を助けようとしただけなのに、なぜこれほど彼女を怒らせてしまったのか。
自分が人助けのつもりで怪人たちの主になったことが、これほど重いものだったとは。
いろんな疑問や気づいたことがごちゃ混ぜになって、うまく考えがまとまらなかった。
しかし今はそんなことを考えている時間はない。

「ご主人様、申し訳ございませんが、ここも危険です。
 早く行きましょう」

そばにいた怪人に促され、啓太たち一行は気まずい雰囲気の中、避難場所へと向かっていった。

その後、夢の尽力により、啓太陣営は1人の死者を出すことなく敵組織レフトファンを壊滅させた。
しかし何もかもがうまくいったわけではない。
『生命の泉』によって施設の大半が使用不可能となり、さらに敵組織の中枢と目される連中は泉の氾濫に乗じての脱走を許してしまった。
そしてその足止め役として残された戦闘員・怪人たちの何割かはその巻き添えを食らい、かなりの死傷者を出すこととなった。
そして――――――――。

「カイザアァァ・・・スラァッシュッ!」

ズバッ・・・!

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