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地獄の惑星
官能リレー小説 - SF

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地獄の惑星 5

ナイフを抜こうとするが組み付いた大鼠は力が強く、両手でなければ押さえきれない
引き剥がす力もなくこのまま行けばジリ貧
「ぃゃぁ…」
ローズは知らず弱い悲鳴を漏らした
大鼠の爪と歯がポリ袋のポンチョに届くと一気に毟られる
「アァ!」
せっかく作った服が奪われてしまい、無意識にローズは腕で胸を隠す
腕を離したことに気づき(もう駄目!)と思ったが、鼠の動きがおかしい
鼠は毟り取ったポンチョを掴んだまま鼻と髭をひくつかせながらボーとする
突然ワシャワシャワシャと音を立てながらポンチョを口の中に捻り込むとみるみるうちに左の頬が膨らんだ
詰め込み終わるとどこか満足げな顔になる
クルクルと顔を毛繕いを始めるがその体制のままピタリと止まる
数秒経って、ハッと思い出しローズを見る
その時すでにローズはブラックジャックを振り上げていた

動かなくなった大鼠の口から奪われたポンチョを引きずり出す
ズルリ
唾液で湿っているが、コレしか着る物がないので渋々身につける
そこで思い出す。子供の頃飼っていた鼠類のペットが口に詰め込んだ食べ物を巣箱に持ち込むのを
(鼠って巣に物を持ち帰る習性があったっけ)
ローズは大鼠が出てきた壁の穴に目を向けた
恐る恐る穴に手を入れて探ってみても、出てくるのはボロキレや枯れた草しか出てこなかった。
ローズはあきらめて外に出た。
外に出ながらローズは気を引き締める。
暗くなる前に安全そうな場所を探しておかねばならない。
『…絶対…抜け出してやる…』
強い想いはいささかも萎えていない。
ローズは生きて戻らねばならない所がある…そう彼女の子供達の所へ…


10代で結婚したローズは、労働者の夫の間に二人の子供を授かり、貧しいながらも平穏な生活を営んでいた。
その生活が激変したのは夫の事故死…しかも事故は夫に多大な責任があり、彼女は莫大な負債を抱える事になった。

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