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地獄の惑星
官能リレー小説 - SF

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地獄の惑星 4

ローズは台所で見付けた砥石でスチール棚の補強材をナイフがわりに仕立てている…包丁はとうの昔に持ち去られていた。
パンストでブラックジャックを作った様に、手製の白兵武器を作る知恵は刑務所内の抗争で身に付けたが弓矢や投石器といった飛び道具…洗剤と肥料を混ぜて毒や爆弾を作る知識まではなかった。
水と食糧、衣服や燃料といった衣食住に直結のアイテムも先を越されてしまったらしく収穫は少なかった。
特に衣服…やはり女性だ…。
クローゼットは当然カラ…布地とそれに近い物は片っ端からひっぺがされていた…。
ベッドなど…毛布やシーツは無論の事、マットレスまで解体され骨格を残すのみ、その他カーテンや玄関マットに壁紙まで…。
ローズ自身はゴミ袋を裂いて作ったポンチョをはおっている始末。

鞄は豆だか米だかの袋…廃墟以前、こんな辺境惑星にプラ〇やエル〇スは奇跡だろう。
研ぎ上がったナイフは空き缶を平たく潰した鞘に納める…刑務所メイドのそれと大して変わらぬが、とりあえずのサバイバルツールとしては十分と見た。
ベルトがわりの荒縄にナイフとブラックジャック、僅かばかりの戦利品を納めた豆袋をくくり付けて腰から提げた。
時折窓の外に見える、奇怪な獣や…ローズと似たり寄ったりのイデタチをした他の参加者から息を殺しながら、この周辺に止まるタイムリミット感じた。

暗くなる前に眠れる場所の確保を考えている矢先、背後の壁からゴソゴソと大きな音がした。
ローズが振り返ると、人の頭が入るくらいの穴から大鼠が顔を出している。
穴の大きさに比べると二周り以上程の体が、するりと出てきた。
ローズの匂いを辿ってきたのだろう、せわしなく辺りの匂いを確かめるように嗅ぐ。
後ろ足で立ち上がり、巡らせた視線の先でローズと目が合うと、フカフカなお腹の毛皮から反り返る真っ赤な肉棒が生えた。
大鼠は四つ足に戻ると「チキチキチキ」と耳障りな声を上げてローズににじり寄る。

人のモノと似て似つかざるそれに激しい嫌悪を抱く
「冗談じゃない。誰がアンタなんかと…」
威嚇を込めてゆっくりと振り回すパンストブラックジャック
『電線知らずで蒸れ知らず』が売りの高級ストッキングは足以外の物を詰め込まれても弾力を誇るように破れることなくよく伸びる
ローズはドアに近づこうとジリジリ後ずさるがそれが失敗だった
ドコン!
激しい衝撃とともに障害物にぶつかったブラックジャックがあさって方向に飛ぶ
それを合図に大鼠が飛びつく

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