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太陽の嘆き
官能リレー小説 - SF

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太陽の嘆き 7

彼は、自分の部下達を見渡す。
全員が納得したようにうなずいた。
「そういうことだ。じゃあな!」
カルロスはそう言うと、仲間たちを率いて去って行く。
その後ろ姿を、青黒い髪の美女は見つめていた。
「行っちゃったわね」
「良いの?逃して」
他の女達がそう言いながらも、どこか楽しそうな表情を浮かべている。
「いいのよ。もうすぐ儀式が始まるもの」
「そうね。私達も準備をしましょう」
彼女達はそう言うと、また歩き出す。

ペドロはカルロスに聞く。
「船長、これからどうします?」
「まずは脱出に使える船を探すぞ。それと食料もだ」
「わかりました」
しばらく歩くと、開けた場所に出る。
そこには大きな倉庫のような建物があり、大量の樽や木箱が置かれている。
そして、奥の方では数人の男達が何やら作業をしていた。誰もが腰にボロボロの布を巻いただけの格好をしている。
彼等も偶然ここにたどり着いた海賊なのかも知れなかった。
カルロスは、ペドロ達に身を隠す様に指示をした。
「船長、なぜわざわざ隠れるんですか?人数ならこっちが多いですよ」
ペドロが疑問を口にする。
「もしあいつらも邪神教団の連中なら何をしてくるかわからん、彼等が何の作業をしているのか観察をする必要がある」
「確かに…」
ペドロはそう言ってうなずく。
男達はというと樽に入った金貨を運んでいるようだった。
「おい!あれを見てみろ!あいつらも金貨を持っているぞ!」
海賊の一人が興奮気味に言う。
「本当だ!奪いに行くか?」
「いや待て、まだ早い」
海賊達が飛び出しそうになるのを止めたのは、カルロスだ。
カルロスは金貨を怪しんでいた。
突如淫らな夢を見たり意識が朦朧としたり…最終的には急に光を放って消え失せる、そんな金貨がまともであるはずがない。

「とにかく、もう少し様子を見る。もしもヤバそうなら、すぐに逃げるからな」
「了解」
ペドロ達は小声で返事をする。彼等が見ている前で男達は興奮した様子で金貨の入った樽を次々と運び出していく。
まるでカルロス達がやってきたことをその男達が繰り返しているかのようだ。それがカルロスには不気味に思えて仕方がなかった。
(あの金貨…いったい何なんだ?)
やがて、金貨が怪しげな光を放ち始めた。カルロスはその光景に背筋が凍るような感覚を覚える。
男達が眠ると同時に金貨は溶け、男達の腰布の下へと潜り込んでいく。
これがカルロス達が金貨を見つけた時に見た淫らな幻覚の正体であった。
「どういう事なんだ?」
海賊の一人がつぶやくように言った。
「まさか、俺達が見たあの変な夢って…」
「ああ、この金貨が原因だろう…いや、金貨じゃない別の恐ろしい物だ」
カルロスの言葉に、ペドロ達は息を飲む。
カルロス達は、自分達もあんな風にされたのだと想像してしまったのだ。急激に亀頭が膨張する。
「あれが金貨じゃないなら逃げるしかねえな!」
海賊達が散り散りに逃げようとするのをカルロスが止める。
「待て、あれは確かに化け物だが実害はないだろう。あいつらをよく観察するべきだ」
その言葉にペドロ達が口々に反論する。
「あんな得たいの知れない物に関わるのは嫌ですぜ」
「そうだ、俺も同感だ。さっさと逃げよう」
海賊達の言葉にカルロスは少しイラっとしたが、冷静な口調で言う。
「あいつらは金貨をどこかに運ぼうとしていた。それを追えば脱出に使える船が見つかるかも知れないだろう」
「た、確かに…」
海賊達は納得したようで引き下がる。
「とにかくあいつらを脅してでも船を手に入れるんだ。そうじゃないとこんな所からは一生出られないぞ」「わ、わかりました!」
海賊達はやる気を取り戻したようだ。
「よし、それじゃああいつらが眠っている間に近づこう」
「へい」
彼等は音を立てないようにゆっくりと近づく。
樽の中は空になっていた。恐らくは全ての金貨が彼等のペニスに付着して、淫らな夢を見せているのだろう。
カルロス達は眠る男達を取り囲み、逃げられないようにした。

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