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天才橘博士の珍発明
官能リレー小説 - SF

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天才橘博士の珍発明 6

必死の謝罪と懇願の言葉とともに差し出された、古いアルバムをさくらと健悟がゆっくりと開いた。

「お祖父ちゃんとお祖母ちゃん、それに…子供の頃のお母さん達…」

セピア色の白黒写真が並ぶアルバムをめくりながら、さくらはアルバムとメイを見比べる。
大きくため息をつくと、致し方なしといった様子で言った。

「似てる…いや、似すぎてる。どうやら、本当にお母さんなのね」
「やっとわかってくれたのかい……さくらったら、頭が固いねえ…昔はもう少し柔らかかったと思ったんだけど」
「だって、お母さんがいきなり鈴音ちゃんみたいに小さくなったなんて、ふつう信じられないでしょ!」
「まあまあ、さくらも落ち着いて。僕もどうやって若返ったのか知らないけど、本当に驚いたよ。でも、どうやら事実みたいだし、受け入れるしかないよ。
そして、これはどういうことだい?島崎さん?」

翔太は、緊張からごくりと唾を飲み込んだ。どう説明するかは考えていたつもりだが、下手な事を言えばさらにとんでもない事になってしまう。
当のメイは、三人を見ながらイタズラを仕掛けた子供のような表情をしていた。
何とか言葉を選びながら、説明を始めた。

「実は……」

さくらも健悟も、彼の説明を聞くうちに複雑な表情になる。
翔太を見る二人の視線は、「何をしてくれたんだ」「そんな変なものを飲ませるなんて」と非難がましいものになっていく。

「あなたねえ…何をしたかわかってる?私のお母さんに、無断で人体実験したのよ?犯罪じゃない!」

当然と言えば当然だが、娘であるさくらは怒りだし、怒鳴るように言った。
翔太は手を突いたまま頭を上げてその言葉を聞いた後、再び平伏して必死に謝罪の言葉を口にする。

「本当にその点は申し訳なく思います。謝罪ならいくらでも致しますので、どうかお許しください」
「うーむ…」
「まあまあ、さくら、少し落ち着きなさいな」
「でもお母さん!」

健悟は考え込み唸っていた。するとメイがなだめに入った。

「いいじゃないか。赦しておやり。こうして若返れるなんて、まるで夢のよう。今さら彼を問い詰めても、しょうがないじゃない。それにわたしゃ嬉しいんだよ。もう一度人生を楽しめるんだから」
「それは…そうかもしれないけど…」
「当事者であるお義母さんがそう言うなら…」

メイの言葉で、さくらは考え込んだ。被害者(?)当人が許す気でいるのだ。
健悟はメイに賛成しかかっていたが、なおも考え込んでいた。
そして、一つの疑問を述べた。

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