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天才橘博士の珍発明
官能リレー小説 - SF

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天才橘博士の珍発明 1

小さな街の一角…一般的な普通の家に老婆と中年夫婦が住んでいた。中年夫婦は普段の平日、仕事に出掛けていて夕方以降にならないと帰って来なかった。

その為か時折、寝たきりの老婆の為に訪問介護のヘルパーが来ていた。

隣に住む島崎翔太も、介護福祉師の資格があり、時間のある時は隣の老婆メイにの介護をボランティアで行なっていた。

その日…早朝に彼の知り合いで変な研究を行なっている教授に呼び出された彼は帰宅後、メイの家に訪れる。老婆は体中シワだらけで、頭は白髪で大分抜け落ち、入れ歯が無いと物もロクに噛め無かった。
翔太が食事の介護行い食後メイに薬を飲ませる時、彼は健康になる薬だと言ってメイに教授から受取った薬を飲ませた。

薬を飲んだメイは全身から煙の様な物が吹き出て、次第に老婆の姿は若返って行き…過ぎた…!

症状が治まった老婆は、まだ発育途上の頃の幼い少女の姿まで戻ってしまった。
寝たきりだった老婆は体に元気が戻ったのかピョンッとベッドから飛び出して、着替え用の縦長鏡を見て自分が少女の姿まで若返っている事に驚く。

その光景を見ていた翔太自身も唖然とした表情でいた。


ーある日の晩

古びた屋敷の中…人知れず研究に没頭している白髪だらけの男性老人がいた。
彼は薄気味悪い笑いを浮かべながら、液体をスポイトに吸い取らせて、別のピンク色の液体が入った瓶へと垂らし混む。

ボンッ!

大きな音共に煙が立ち登り液体は透明に変わった。

「ヒヒ…これで完成だ」

瓶に入った液体を眺めながら、数本しか無い歯を剥き出して老人は大声で笑った。


ー当日…

老人が研究している古びた屋敷に若い男性が訪れた。
早朝に老人に呼び出されたせいか…男性は少し眠たそうに欠伸しながら屋敷の敷地内を歩いて行く。途中、変な置物が放置されたように置いてあり、うっかり足に当たって躓いたりする。
玄関前に来ると、男性はチャイムを鳴らすが…誰も出て来ない。
チャイムの横にある、電子コードのフタを開けて、メモ帳を取り出す。

(第1月曜日は…1.1.2.6…イイフロ)

番号入力が終わると、ギィ…ガチャと、音が響き玄関のドアが少し開く。
男性が屋敷の中に入ると、中は少し寂れた感じがした。建物の中の雰囲気を気にせず男性は地下へと続く通路へと進み、地下に降りる階段を見つけると、階段を下りて行く。

階段を下りた場所に薄明るい電球に包まれた研究室があった。
そこの研究室で独自の研究に没頭してる白髪だらけの老人に男性は挨拶をする。

「橘博士、何の用ですか?」
「おぉ…島崎君良く来たね」
「何の用ですか…一体?」
「ついに完成したのだよ、若返りの薬が…」

教授はカプセル状の薬が入った袋を彼に渡す。

「失礼します」

島崎は立ち去ろうとする。

「コラ、待ちたまえ!」

橘は島崎を呼び止める。

「良いか、これは世紀の発見なのかも知れないのだぞ、もしかしたら世界で唯一私だけが見つけた偉業かもしれないのだ」
「若返りの薬なんて通販でも買えでしょ…何が凄いのです?」
「通販なんて、紛い物ばかりだ。私が研究した薬は…飲んだ物を確実に10代の若さまで若返らせる効果があるのだ」
「本当ですか?」
「老化とは…ヒトゲノムの細胞の劣化によって行われるのだ。それを時計の針の様に巻き戻させる事により、どんな人間でも確実に若い姿へと蘇らせるのが…この薬の効果なのだ」

それを聞いて島崎は袋に入ったカプセルの薬を見る。

「5個しか無いですね」
「お前が5個で私が5個の…全部で10個だ、とりあえず先で悪いが…それを使って誰かを若返らせて来て欲しい」
「まあ…分かりました」

島崎翔太は、研究所を出て真っ直ぐに家に戻ると…部屋に戻り、誰に試そうかと考えていた…。
すると…橘博士からメールが届いた。

メールを開くと…

『薬は…10代20代では意味がない…30代以上の人に飲ませよ』

近くにそんな人がいるからよ!と…スマホを投げようとした時、ふと…自分の部屋から見える、隣の家に住む人の姿を見つけた。
隣近所に住んでいる、寝たきりの高齢の老婆だった。

「あの人に試して見よう」

彼は老婆に会いに行く。島崎は時折、老婆の介護をボランティアで行っていた。

「こんにちは、メイさん」
「あら…翔太さん、こんにちは」
「良い天気ですね」
「本当、良い天気ですね」
「オヤツ食べましたか?」
「今日は、訪問介護の方が来て無いので…まだなのよ」
「じゃあ…僕が何か持って来ますね」
「すまないね」

冷蔵庫から菓子を見付けて、メイのところまで持って行く。寝たきりとは言え、手足は動くので、自分で食事は行える。
食事が終わると、水を飲ませる。
その後、薬を飲ませるのだが…この時翔太は、渡された薬をメイに見せた。

「これ、元気になる薬です。良かったら飲んで見てください」
「ふ…ん、元気になる薬ね…」

メイは少し疑いながらも、薬を口の中に入れて水を飲んだ。

薬を飲んだ後…メイの全身から煙の様な物が吹き出て、次第に老婆の姿は若返って行く。
翔太は唖然としながら、その光景を見ていた。
メイの体は、シワだらけの姿から、張りのある姿に変わり…次第に白髪の髪は黒色になり、美しい女性の姿へと若返って行く…のだが…。

背丈は縮み瑞々しい身体へと変わり、やがて…症状が治まった老婆は、まだ発育途上の頃の幼い少女の姿まで戻ってしまった。
症状が治まった老婆だったメイは自分の身体の変化に驚く。

腕や足の骨と皮が無くなり、生命に満ち溢れている華奢な体に気付いたメイはベッドから飛び降りる。年齢が若くなると同時に身体の活力も戻ったようでメイは着付け用の縦長鏡の前まで駆け足で向かう。


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