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天才橘博士の珍発明
官能リレー小説 - SF

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天才橘博士の珍発明 3

それに気付いたメイがわざとらしく、胸と陰部を手で隠して「エッチ」と、言う。

(今になって言うか…)

少し呆れた表情で翔太は浴室から出る。
メイがシャワーを浴びている頃、翔太は姉のスマホに電話を掛ける。

「おう未婚で彼女歴無し=年齢のショータ何の用だ?」

毒説紛いの姉のトークに翔太は一握りの殺意を感じた。

「ゴメン、姉ちゃん、確か姉ちゃんの娘って小学校中学年だったよね?」
「そうだけど…エロ目でウチの娘に接近したら瞬殺だから覚悟しとけよ」
「悪いけど…女の子の服を少し貸してくれる?」
「どういう事だ?お前本気でアッチの世界に踏み込んでしまったのか?」
「いや…そうじゃなくて、どうしても必要なんだ」
「よく分からないな…何で必要なんだ。ハッキリ言えよ」

姉にどう説明すれば良いか迷っている最中に、後方からメイが浴室から出て来た。

「ねえ…翔太さん、着替えないけど、どうしましょう?」

その声は電話向こうの姉にハッキリと聞こえた。

「しょ…ショーター、今の声誰だー、お…女だが子供見たいだったぞー!」

間近で聞いてたら鼓膜が破けそうな程大声で姉は言う。

「ちょっと色々事情があって、急いで来てくれ、出来れば隣の倉田さんの家に」
「分かった、そっちに行ってから詳しく聞く、ただし不審な行為で子供を連れ込んだったのなら、例え弟だろうと警察に連絡するからな!」
「そんなのでは無いよ」

取り敢えず姉との連絡を切るとメイを見た。
タオルを頭と体に巻き出て来る姿は、まさに少女そのものの姿だった。

「体も洗ったし綺麗になったから、あとはベッドインだけかしら?」

際どい発言に翔太は返事に戸惑う。

「そう言うのは…せめて状況が落ち着いてからにしましょうね。もう少しで姉が来ますので、ちょっと色々と話があると思います」
「どんな話?そんなに深刻な出来事あった?」

(十分過ぎる程の深刻な状況でしょ)

翔太は状況が受け入れられていないメイが羨ましく思えた。

「と…取り敢えず、髪を乾かしましょう」
「そうね」

翔太はドライヤーでメイの髪を乾かす。子供の滑らかな髪で艶があり、とても軟らかかった。

髪を乾かし終える頃、家の近くでキキ―ッ!激しい車のスリップ音が聞こえた。

やがて…ピンポンー。

玄関のチャイムが鳴る。


「誰かしら?」

メイが玄関に向かう。

「あ、ちょっと」

呼び止めようとしたが、メイはそのままの格好で玄関のドアを開けてしまう。

「はい、どなたですか?」
「うわ!誰なの、アナタ?」
「え…?前から、この家に住んでいる者よ」

状況が全く理解出来ない姉は茫然とした表情で翔太を見る。

「ちょっと翔太、これはどう言う事なのよッ?!」
「貴方は、数年前まで隣に住んでいた京子さんよね?」
「へ…?どうして私の名前を知っているの?」

姉は見知らぬ少女が自分を知っている事に驚く。

「知っているわよ、だって昔…家に遊びに来てたじゃない。貴女が学生時代の時は悩みの相談とかしたわよ。覚えてないの?」
「え、うそ…貴女、もしかしてメイお婆ちゃん?」

まさか…自分よりも高齢だった近所の、お婆さんが自分の娘と同じ位の年齢になっているのに京子は驚いた。

京子メイに娘の衣服を着せた。クルリと回って衣服がピッタリなのを確認する。

「娘のお古だったけど…ピッタリで良かったわ」
「ありがとうね、助かったわ」
「あと…何着かあるから、適当に使ってください」
「分かったわ、使わせて貰うわね」

2人は、話をし終わると…京子が翔太に近付いて来た。

「さてと…どうしてこうなったのか、詳しく聞かせて貰おうかね…」

憎悪の様な表情をした姉の背後に、陽炎の様な揺らめきが見えるのを翔太は感じた。

「え…あの、実はこれには…深い訳がありまして…」

次の瞬間、家の中で断末魔の叫び声が響いた。


ー数分後。

リビングで紅茶を淹れる京子は2人分のティーカップを用意して、向かい合わせのメイに紅茶を差し出す。

「はい、どうぞ」
「まあ…ありがとう」
「ウウ…ネエちゃん…」

翔太の声が京子の下から聞こえる。

「それにしても、メイお婆さんと、こんな風に紅茶が飲める日が来るとは思わなかったわ、高校を出て…就職して二十歳過ぎに結婚したから…。家に帰って来てもメイお婆さんに挨拶する時なんて殆ど無かったしね」

「フフ…まあ、人生なんてそんな物よ、私も故郷を懐かしく思うけど…今は村の名前は無いし、過去の仲間も多分…生きていないでしょう。つくづく思うのは…女性の人生ってなんだろうね…て事よ。愛した人の為に生きるのか…それとも自分の為だけに生きるのか…ってね」

「そうよね…男性は、幾つになっても結婚しても平気だけど…女性は若いうちに身を結ばないといけない。そう言う意味では…損な生き方をさせられているわ。三十路を越えると子供を生むのも辛くなるし…夫からも夜の相手がして貰えなくなるのよ…。結局夫婦って何だろうって思わされるわ」

「まあ…一緒に居る事が1番重要なのよ、歳を取ると何となく分かって来るわよ、人生のパートナーの大切さが…」
「姉ちゃん…退いてくれ…重い」

京子の下に四つん這いになっている翔太が、虫の息で姉に救いの手を指し述べている。

「女性に重いなんて失礼ね、大体…あんな変な博士に関わるな…て前から言ってたのに、どうして行くのよ。その結果がこれなのよ…これからどうするのよ、この状況…」

京子は翔太の上から退いて隣へと腰を下ろす。

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