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セックスワールド
官能リレー小説 - SF

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セックスワールド 4

 まわりもそうだ。隣にいた可愛い系の後輩は下半身丸出しのまま朝礼に出た。
 社長が話し始める。
 「今日は、ハイパードライブ十周年記念日だ」
 元の世界でも、社長は、お客様の会話に役立つようなネタを毎朝朝礼で言っていた。これは、この世界版のそれなのだろうが、ハイパードライブって俺にはSFの言葉、としか認識できなかった。
 「知っての通り、昨日、七番目の日本領植民星が認められた。三倉君、支社開設を申請するように」
 「はいっ!」
 ショクミンセイ、って、多分星だよな…俺はSFの世界に来たのか…

 あとは、各自が今日の予定を短く言っていく。それ自体は特別に変わったところはなく、俺も記憶をもとに前の世界における今日の予定を述べたが、違和感はなかったようだ。


 朝礼は終わり、席に着く。俺は三倉さんの右隣り。
 「十周年なんだね。鳥野さん、あの時、どうしてた?」
 俺の記憶にはない出来事。何とか誤魔化そう。
 「三倉さんは?どうだったの?」
 「私あの時高校生だったの。それまで、セックスってしちゃいけないみたいだったのに、ハイパードライブで移住先がいっぱいになったとたんに『産めよ増やせよ』って」
 俺は、画面を三倉さんから見えないような角度にして、まずハイパードライブ記念日について検索を始めた。
 「でも、すぐになんかわかるように思えた。生物としての本能で、混んでて、もう広がる場所もないなら、子供を作りたくない。でも、広がっていけるなら、自然にセックスしたくなるんだな、って」
「あー…俺もそんな感じだったなぁ…しっくり来たって言うかすぐ慣れたって感じだったな」
「鳥野さんもやっぱりそうだったんだ。こんな気持ちいい事を我慢してた昔の私達ってとっても損してたのね」
「そうだね」

無難に三倉さんとの雑談を乗り越えると俺は業務に集中するフリをしてこの世界の情報を集め始めた。
まずはハイパードライブについてだな。
ブラウザを開くとキーワードを入力する。
『ハイパードライブとは』…
すぐさま検索結果が表示される。

ハイパードライブそれは、やはり思った通りSF作品で良く目にするワープ技術の事であった。
十年前に現れた異星人からもたらされた技術で僅か一月程で商業利用されるようになったみたいだ。
おいおい…そんなトンデモ技術がたった一月で一般に広まるなんてあり得ないだろ…。
しかもその異星人は他種族の進化支援が目的で他にも様々なオーバーテクノロジーを地球人に無償でもたらせくれたようだ。
クリーンな高エネルギー炉や高度な医療技術、宇宙船の製造方や人類が生存可能な植民惑星候補等など。
人類が千年掛けても到達できるか分からない技術や情報をポンとタダでくれて行ったと、普通なら信じられない情報が書かれていた。

見返りも無くこんな技術をくれるなんて何者なんだ…。
俺はその異星人についても検索してみたが何故かこれといった情報は何もヒットしなかった。
分かる事は謎のオーバーテクノロジーを人類にもたらした事と産めよ増やせよの精神を人類に再び灯してくれた事、そして技術を伝えるだけ伝えたらまた何処かへと旅立ってしまった事だけだった。
なるほどな…その異星人のおかげでセックスが日常的に成ってしまったと言う訳か。
何せハイパードライブを使用可能にした高エネルギー炉のエネルギー源が人類の性的快楽エネルギー、オーガズムウェーブだったなんてな。

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