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荒れた星の戦士
官能リレー小説 - SF

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荒れた星の戦士 16

「それは後で話す。とにかく急いで向かえ。仲間を助けたいならな」
「く…」
オルトンは悔しげに顔を歪める。
「分かった。行くよ」
「よし、付いて来い」
オルトンは渋々といった様子で従う。
「待ってぇ、オルトンはん」
クローン女がオルトンの後を追いかける。
ジリはそれを止めなかった。本来は女は好ましくない、だがこの女を排除すればオルトンが逆上して面倒になると思ったからだ。
オルトンとクローン女は全裸のままシャワールームを出て、廊下に出る。
「見知らぬ男の前で素っ裸で歩くのか…タオル位巻かせてくれ」
オルトンは抗議しながら未だに勃起したままの巨根を右手で隠すが、指の間から我慢汁まみれの亀頭が覗いている。
ジリは鼻で笑っただけで何も言わず先に進む。オルトンはその後に続く。
オルトンは襲撃者の後ろ姿を見ながら思った。
(こいつ、妙に隙がないな)
オルトンは、ジリを二人がかりで背後から襲い人質にして仲間を解放させる事やどちらか片方が逃げる事も考えてはいた。
だが、堂々と背中を向けているこの男がそんな事を許すとは思えなかった。
仕方なく二人はそのまま進むしかなかった。オルトンはジリの背中を睨みつけた。
「おい、本当に船員は大丈夫なんだろうな?」
「黙ってついてこい」
ジリは振り返りもせずそう言い捨てると、先に進んでいく。
オルトンとクローン女は互いに顔を見合わせてため息をつくと、後に続いた。
空き倉庫の入り口にまで来たが船員と海賊が居る筈の中からは何の音も聞こえてこないので、二人に不安だけが募る。
「静かすぎる…既に死体になってないだろうな」
オルトンは独り言を呟く。
すると、急にジリが立ち止まった。オルトンは身構えたが、それは海賊船長と端末で通信を送るために足を止めただけだった。
「キャプテン、連れてきました。例の密航者らしき女も居ます。今、二人と入り口で待機しています」
『女か、守りを担うようにしてた奴の事だな…。とにかくこれで乗員の男達は揃ったな!オルトンとやら!聞こえるか!』
海賊船長がオルトンに呼び掛けたのでジリは端末の画面を二人の方に向けた。
「お前は縛って動けなくしてやった筈だぞ…」
『ぬはははぁっ!何を言うか、あんな鎖…簡単にちぎれるわぁ!屈強な勝者に敬意を表し、目が覚めてからもしばらく捕まったふりをしておっただけでな』
「なんて奴だ…。ここの船員を人質にしてどうする気だ?まさか、身代金でも取るつもりなのか!?」
『金など要らん!欲しいのはただ一つ、ここの船員達そのものでのぉ。積み荷や金は良き肉を持つ海賊達を誘い込む餌にすぎん。この船内で船員と海賊が遭遇することこそが目的だったのだ。船員と海賊、どちらが勝とうが構わん。どうせこの海賊組織そのものがダミーでしかないからな』
「自分の手下を捨て石にでもする気なのか…?」
『己が手下を鉄砲玉にでもしたと思うたか?彼等はそうそう死なんよ、全員が肛門に【淫らな黒い悪魔】を入れておるからのぉ!』
「【淫らな黒い悪魔】だと?」

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