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荒れた星の戦士
官能リレー小説 - SF

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荒れた星の戦士 14

黒いスライムの中の性器が次々に脈打つ。だが、どの性器からも白濁は出ていない。
生産が間に合わなくなったのだ。
すると黒いスライムは膨張を再開した。激しく絡み合う男達の肉体が少しずつ黒い塊の中に埋もれていく。
その頃になると海賊船長は拘束を簡単に外していた。明らかに人間離れした力だった。
船長が自由になったが、双方の陣営に気づくものは居ない。ただ禍々しい黒い球体が転がるだけだ。
「よし、これで全員済んだか」
「…お疲れ様です、キャプテン」
そう言ったのは海賊船の副船長のジリだ。彼はどこかに隠れて、手下と船員が絡み合う光景を観察していたのだ。
船長とジリは黒い球体の前に立つ。ジリが一番近くにある球に触れると、連動して全ての球体の表面に波紋が広がっていき奇妙な文字が浮かびあがる
それを見たジリの顔色が変わる。
「キャプテン、大変です。船員の男が一人足りません」
「何だと?」
「他の奴らは全部この中に入っているんですが…」
ジリが更に球体に触れると手下や船員達の詳細なデータが表示される。そのデータを「レッドドラゴン」の乗組員データベースと照合していく。
「オルトン・ドゥーハンという奴が居ません。この事に気づいて隠れているかも知れません」
オルトンは察して逃げたのではなく、シャワールームでクローン女と遊んでいるだけなのだが…。二人には知る由もない。
「探せ! 必ず見つけ出すんだ!」
「はい!」
ジリが部屋から飛び出して行く。
走るジリの左右に空間投影ディスプレイが現れる。
船内マップ画面と操作画面が1つずつで、手早くセンサーを立ち上げる。
「畜生、どこいきやがった?脱走じゃねえだろうな?」
片方の画面には、船室や船倉を一つ一つセンサーが精査していく様子が映っている。
ジリも画面だけに頼らず、自分でも部屋の中を調べている。
侵入者や小天体衝突に備えて、区画ごとに隔壁とハッチで閉鎖されている。
だからそうどこかへ行けるとも思えず、ジリはオルトンが最後に探知された位置データを呼び出す。
「司令室ぅ?」
ジリは舌打ちした。最後にオルトンの姿が確認されたのは、海賊船長を倒した司令室で、時間は海賊船長が一度捕まった時刻だ。つまり海賊船長が気絶した後のオルトンの行方は不明ということだ。
その後の宴席で、捕虜と船員がごった煮の淫らな漢の宴をしている間、すでにオルトンはどこかに消えていたというわけだ。
「全く、宴席に参加してないって事は何か策略でも使いやがったのか?この船は慰安の女が要らないようにヘテロなんて者は雇ってなかったって聞いたのによ」
ジリは悪態をつきながら探し続けていた。

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