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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 10

「2人の入ってたカプセル、皇国製だろ・・・んで、アッティラ級はテオシス星系の軽巡だが、この宙域で秘密工作する皇国軍艦は通常テオシスの船に偽装する・・・ってとこかな」
この距離では人型ポットはおろか、相手の船の状況も分からないはずだ。
推理と観察力だけでそれを見抜くセブンに子供達2人は驚きの表情を作る。
「多分そうだと思うよセブン・・・今は相手に情報を与えない距離を保ってるけど、このままだとワープした時に痕跡を辿られる可能性があるんだ・・・だから、ブーストかけて一気に引き離す必要がある訳・・・」
セブンに言っていると言うより他のクルーに説明しているようなナナシの言葉。
「あのぉ・・・僕達は・・・」
「言いにくいなら言わなくて良いぜ、俺達も詮索しねえから・・・懐に飛び込んで来た者は命がけで守る・・・宇宙(うみ)の漢の掟だ・・・」
笑顔で秀人の言葉を遮るセブン・・・ノーラもナナシも心得ているのか、何も言わない。
「船長さん・・・」
「セブンでいいぜ・・・面倒だから捨てていくってのは俺達にはねえから!」

「お子さまを乗せた状態で『ワイルドブースト』を使うことになるとはなあ…まあ、んでも死にゃあしねぇか…」「コクピットルームだけでも改造しとくんだったね…まあ対G強化は結構、値が張るからね…」「ノーラと坊ちゃんたちには失神程度は覚悟してもらいますか!」セブンはそう言うとワイルド7を高機動モードに移行する…「少々揺れますぜ…皆様方!!」
「シートベルト締めてね、みんな」
秀人とアニタは素直にシートベルトを締めるが、ノーラは嫌そうな顔をする。
「えーっ・・・苦しいからやだぁーっ!・・・」
セブンは苦笑しながらノーラの席に行き、ノーラの乳首を弾きながらベルトを自分の手で締める。
「だだをこねるんじゃない!・・・いい子にしてたら可愛がってやるから・・・」
「あんっ!・・・どうせ拘束されるなら、セブンに貫かれながらがいいなぁー・・・」
甘い声を上げるノーラの頬に軽くキスをするとセブンは席に戻った。
「180秒後にブースト開始!・・・加速開始カウントはナナシ、頼む・・・んで、ブースト開始後にすぐワープドライブ自動起動するようにセットしておいてくれ」
「了解!、んじゃ用意にかかるよ」
ナナシがコンソールを叩き、船の各部分に指令を送っていく。

「タービン加吸開始!、ブースト値120%に設定完了・・・」
「おうさ!」
ナナシの声と同時に、船の後部から重低音の唸り声が上がり始める。
ノーラと子供達は、訳が解らず少し戸惑い気味であった。
「ブーストアップ完了!・・・これよりワイルド・ブースト、カウント開始・・・30秒に設定!」
「おうっ!、全員覚悟しておけよ!」
さらにエンジンの唸り声は大きくなり、船体が小刻みに揺れ始める。
「カウント、9,8,7,6,5,4,3,2,1・・・」
「ワイルド・ブースト開始!!」
「了解!、タービン接続!!」

ナナシがスイッチを入れたその瞬間・・・
ドッカーン!!
まさしくそんな爆音と共に船体が加速する。
それは単なる加速じゃない・・・まるで後方で大爆発が起こり、無理矢理吹っ飛ばされたような感じ・・・
人間の事を無視した暴力的な加速であった。
「うきゃぁぁぁっっっ!!!・・・」
「ひえぇぇぇっっっ!!!・・・」
「おかあさまぁぁぁぁーっ!!!・・・」
「ぐふぅぅぅっっっ!!!・・・」
「ほげぇぇぇっっ!!!・・・」
5人の絶叫は、凄まじい振動と爆音の中、かき消されていったのだ・・・

・・・そして船は暴力的に加速を続け、見る間に距離を離していく。
相手の船の索敵距離から離れ、消え去るまでにたいした時間はかからなかった。

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