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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 77


「…るか…えるかキング!」
キングがどのように行動を起こすか思案していると、ベオウルフからの通信が入った…
「どうやら通信も回復したようだな…計器類も正常に戻ったところだ…」
「そろそろ例の場所辺りだと思うが…」
「今現在、その地点を通過中だ…レーダーの出力を上げ、検索範囲を広げている」
レーダーでの調査を重視し始めたため、キングのレーサーは4位まで順位を下げていた…
「あれ?あの威勢の良いオッサンの機体じゃねえか?マシントラブルか?」


「ふむ…厄介な仕掛けだな…」
キングはそう毒づくとベオウルフとの回線を再び開いた…
「まだ掴めんのか?流石に怪しまれるぞ?」
「それがな…レーダーに干渉を受けてはいるんだが、正確な機影、位置などは掴めないんだ…」
「数も分からんというのか?」
「あぁ…恐らく正確な数字ではないな…このレーダーの性能を疑いたくもなる…毎回機影の数が違うのだからな…まぁでも干渉の発信源は分かったからな…」
「アステロイド帯にか?」
「いや…発信源はレース参加者だ」

「やはりそうか……要人襲撃にしろ、このジャミングにしろ、このレースには裏があるな……」
「……そうだな……そちらから特定はできるか?」
「任せておけ……貴様は暫く遊んでればいい……また連絡する」
ベオウルフは通信を切ると、また闇へと消えて行ったのだ。

その頃、ナナシ達はタワーとの連絡を試みていた。
「……駄目だ。通信網が混乱してて、繋がらない」
ナナシが通信機を外して置く。
「直接、会い行くしかないか」
「なら、善は急げだ。僕も行こう」
とジェシー。
「そうね。ジェシーならナナシを任せられる」
ノーラが頷く。他のクルーも賛成のようだ。
「よし、行こう!」


「そうだ。ジャミングの発信源だ」
ベオウルフはキングの船にいた。
先程から、ジャミングの発信源を超高性能であるキングの船を使って捜索しているのだ。
「どうだ、発見できたか?」
「……大体の位置なら特定できました。モニターに出します」
「コースを取り囲むように配置されている…か」
自分の狼狽した顔がモニターに写るのを見て、長い歳月を生きてきたものだと少し感慨に更けるベオウルフ…
「データはそちらに行っているなキング?レーサーたちにもデータを転送するか?」
「いや、それは少し待て…」
「分かった…しかし数分の猶予しかなさそうだぞ…」
「ああ、分かっている」

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