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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 74



そして、その銃声はセブンチームのピットにも聞こえていた。
「なんだなんだ?銃声か?」
「みたいですね。どうします?ラモンさん。」
ラモンとナナシはやけに冷静だ。やはり、慣れたのだろう。
「俺が見てくるから、ナナシ達はここを頼んだよ。」
ジェシーが左腕から雷切を取り出しながら、外に出ていこうとする。
「一人、生け捕りにしてよ。尋問するから。」
「了解、ノーラ。じゃ、マリーを頼んだよ。」

そのころ…ハワーズ・ラン本戦では…
ルドラ本星から第一ゲートへのロングストレートでは、例年希にみる磁気嵐が起こっていた…
「こんなに激しい磁気嵐は初めてだぜ…」「センサーならまだしも、メーター類までがおじゃんとはなぁ」…
パイロットらは口々に愚痴り始め、スピードを落としている者や、完全に歩を止めた者まで居る…ある一集団を除いては…
「この程度でリタイアか?マシンは計器だけに頼って動かすものじゃないぜ?あんたらは、船乗りの感ってヤツをどこかに捨ててきたのかい?」
そう言いながらセブンは、上位グループを捕らえ、機体を反転させ、上部を掠めて抜き去った…

『おぉっと新星ジルラント…磁気嵐に右往左往する先頭集団を一気に抜き去ったぁ〜これは区間タイムレコードも狙えるぞぉ、そして、三番手に付けたスタージェスに迫る迫る〜!!』
(これで入着は間違いないかな…まぁ、ここまで来たら、もっとドデカい夢を見させてもらおうか…)

セブンの活躍を実況するアナウンスは銃声で混乱する会場にこだまする。
「この状況でよく実況できるなぁ。」
雷切を木刀モードにして、銃を持った男達を叩いていくジェシーが呟く。やはり、アナウンサーもプロなのだろう。
「さて、一人捕まえたし、一度帰るか。」
右手に雷切、左手にノビた男を掴んで、悠然とジェシーはピットに帰っていった。



「・・・・・・!????!」
目が覚めると自分が口にガムテープをつけられ、縄どころか鎖で縛られていたら、誰だって驚き困惑するだろう。彼も例外ではなかった。
えっ?
彼ってのは誰だって?
ジェシーが捕まえた哀れな捕虜ですよ。

本当に哀れにもここでは捕虜と呼ばれる彼にはキツい尋問タイムが待っていた。


「吐かないわねぇ。」
「いい加減に教えて下さいよ。何をしようとしてるのか。」
捕まって、30分が経過した。最初はナナシの巧みな交渉術を使うも効果はなく、次にカズが不幸な身の上話で同情を誘おうとするも失敗。見るに見かねたノーラが色仕掛けを(強引に)マリーとしようと画策するも、ナナシとジェシーが未然にこれを止めさせた。そして、今に至る。

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