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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 73

セブンはプロストに食らいついていく。
『さぁ、一周した各マシンがホームストレートを駆け抜ける!!ここから各マシンは一気に大気圏を離脱して、小惑星帯を突っ切り、スギンとルドラのちょうど中間地点に設置してある折り返しポイントを抜け、静止軌道にあるルドリアタワープラットフォームを目指します。現在首位はセナ、続いてマンセル、リッキー、スタージェス、プロスト、ジルラントと続く!!さぁ、誰が勝利の栄冠を手に入れるのか!?ハワーズ・ランはますますヒートアップしてきたぞぉ!!』


その頃、リッキーのピットから数人のクルーが消えていた。

同時にレオンのピットにベオウルフが入ってきて、通信機をクルーからひったくる。
「レオン、聞け。例の政府高官の件で面白い事がわかった。」
「面白い事?」
「そうだ。例の高官はルドリアタワーの責任者の一人で、今回のレースの責任者でもあった。そして、高官の家から、このレース会場の警備の規模や国賓の名簿、ルドリアタワーの防衛システムの見取り図などが盗まれていた。あと、所属不明のステルス艦の情報も手に入れた。」
「なんか凄くやな予感がするのは気のせいか?ベオウルフ。」
「気のせいではないな。今回のゴールがタワープラットフォーム。ステルス艦の狙いは恐らく・・・・」
「ゴール直前に防衛システムが切られる瞬間。そうすれば、プラットフォームの真横にある第一ドックをいとも簡単に破壊できる。そして、今第一ドックには・・・・」
「ベリグリスの第一主力艦隊がいる。こやつは帝国の連中とまともやり合えるほどの戦力を持ってる。壊滅すればミリタリーバランスが一変するな。」
「しかも、その攻撃でタワーが崩壊する可能性もある。」
「ふん…あわよくば、ベルグリスの高官共も巻き込もうという魂胆か…タワーにはうまい具合にハワードの息子と軍師…そして、軍や政府の首脳共が集まっておる…」
ベオウルフがそう言うと、レオンの表情は一瞬険しくなる…
「やれやれ…やはりレースを楽しむ余裕はないようだな…」
レオンは険しくなったままの眼差しを、漆黒の宇宙に凝らしながら、そう唸った…
その時、会場に銃声が響いた。
「!?どうした!?」
「来賓席の近くで発砲だ。恐らく、注意をこちらに引き付けておくつもりらしいな。こっちは我が対処しよう。貴様はステルス艦に当たれ。」
インカムを置いて、ベオウルフは愛刀を手に外に出ていった。

来賓席で発砲したのはリッキーのチームにいた男達だった。あの晩、リッキーに会っていた男の要求はこうだった。
「私の部下を数人、あなたのチームに紛れ込ませて下さい。それだけですから。」
リッキーはその要求を受け入れたが、こんな事態になるとは予想もしていなかった。

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