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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 71

そして、立ち上がってシェリーを見据える。
「三年前、消えた時にオヤジから『死んだ』と聞かされていたお前が生きていると聞いて、会いに行ったら、お前はイザベラではなくシェリーになっていた。俺は、あの時言ったよな。ケビンとお前自身の為に復讐は止めておけ、ってな・・・・。でも、お前の考えは変わらないみたいだな。」
悲しそうな顔をして、セブンはドアを開ける。
「お引き取り願おう。」
シェリーは静かに立ち上がると、ドアの前まで進む。
「セブン、私もその言葉は覚えている。しかし、私にはどうしてもやらなければならない事がある。その為には私は何にでもなろう・・・・。」
シェリーはそう言って、外に待っていたミザルの後ろにつき、数人の部下にまぎれて帰っていった。
「…シェリー・レイス…己の命を粗末に扱ってはくれるなよ…」
セブンはシェリーの後ろ姿を見送りながら、そう呟いていた…
「キャプテン、調整は大方終わったんだがなぁ…ど〜こでサボってやがんだぁ!」
セブンの心情を無視して、パイロットスーツに内蔵された無線に、ラカンの激が飛ぶ…
「ちゃんと入着してもらわないと、僕たち全員飢えることになるんだからね…」
続いてナナシの小言が始まるのを聞くと、セブンは無線のスイッチを切った…
「はいはい分かりましたよ…」
ウザったそうにぼやくセブンだが、顔は綻んでいる…
セブンは仲間たちのもとへと歩を向け…歩き始めた



場内アナウンスが響く中、セブンは愛機のコクピットに身を沈ませる。
『さぁ、今年もやってまいりました!ハワーズ・ラン決勝の開幕であります!!銀河中からやって来たスピード狂達が一攫千金を夢見て命がけのレースを展開しようとしています。スタートは例年どおり、かつて男達が速さとテクニックを競ったF1と同様の形式を採用しています。ポールポジションは天才の血を継ぐ優勝最有力候補のロラン・セナ!!』
「セブン、セナには要注意だよ。五回出場中、三回優勝している強者だ。残りの二回も表彰台に上がってる。」
ナナシの言葉にセブンは頷く。
『セカンドグリッドを取ったのは初出場ながら驚きの速さを見せたレオン・スタージェス!三番手は常連のリッキー・アンダーソン!今年こそはポディウム(表彰台)の真ん中に立ちたいところだ!四番手は・・・・』
「とりあえず、最初は様子を見ながら今の順位を守って、上位を目指すのが良いんじゃないかな?」
「ナナシ、そんな弱気でどうすんだよ?最初っからトップを目指すさ!!」
笑いながらセブンは集中していく。
ナナシはそんなセブンに苦笑しながらピットに入って行った。

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