PiPi's World 投稿小説

ワイルド7
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 68
 70
の最後へ

ワイルド7 70

「しっかしミザリー、おまえにはもう女装は無理っぽいな?」
「“僕”も、そろそろ親方様の影武者は勤まらないんじゃないかと言ったんですがね…」
ミザリーは端からみれば、美しい女性に見えるのだが、彼はシェリー・レイスの従兄弟に辺り、幼き頃よりシェリーの影武者として行動を共にしていた…
「後五年はやってもらおうと思って居るんだから、余計なことを吹き込まないでくれるかい“ジル”…」
「まぁ、職場を追い出されたら俺んとこに来てくれよな“ミザル”…んで、おまえらがここに来てるってことは、まさか敵討ちでもするつもりか?」

「ほう…鋭いじゃないか!手を貸すつもりはないかい?」
「ふん…やだね!それでなくとも、おまえのせいで無駄な敵が増えちまったってのによ…」
「スリリングな旅ができて良いじゃないか?感謝してほしいくらいだよ…」
二人は睨み合いながらも、親密な様子で話している…
「しかし、ジェサイア・ルーファスとアリオン、カズ…素晴らしい人材を集めましたねぇ…流石はセブンさんです」
ミザルは小型モバイルを覗きながら、話に割って入った…
「まぁな。あいつら、みんな一流だから、ミザル、お前ぐらいなら一瞬にして捕まるぞ。」
「あんた、最近銃の練習サボってるからね。」
「親方様まで、ひどいですよ。」
ミザルはすねた顔をして二人を見る。
「ジェシーの銃技は俺よりだいぶ上だからな。まともにやったら勝ち目はないぜ。まぁ、戦闘じゃない時は、雑用してっけど。船の掃除とか。」
ドアの向こう、戦闘機の前で仁王立ちしてるジェシーがくしゃみをしたのはちょうどその時だったらしい。
「少し2人っきりで話させてくれないか?」
話が落ち着いた所でセブンがそう切り出し、濃いサングラスをかけたシェリーも頷く。
ミザルは何か言おうとしたが、2人を見て溜息をつきながら部屋から出たのだ。

……2人っきりになると、セブンは厳しい目でシェリーを睨み付け、シェリーは能面のような無表情となる。
そこには先程までの雰囲気は全く無かった。
「何故……今頃……俺の前に現れたんだイザベラ!!」
まるで身体の奥底から絞り出したように、セブンはシェリーを睨み付けながら言った。

「イザベラ……その名はかりそめの名……我が名はシェリー・レイス、それ以外の何者でも無い」
能面のような無表情を変えず、無機質な言葉で返すシェリー。
「あの時の関係は、単なる若さ故の過ちにすぎない……今回、ここに来たのはレイス家の当主として最も最適なビジネスの相手と見たからだ……お分かりか、ミスター・ジルラント」
セブンはそんなシェリーを睨み付けていたが、眼を伏せゆっくりと言葉を吐き出す。
「そうか……お前にとって俺はそんな存在だっだんだな……分かったよ、よーく分かったよ、ミス・レイス!」

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す