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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 58

さて…ゼロことジェシーは、さっき取り逃がした殺人鬼を探していた。
しかし、街の中を歩いても殺気どころか視線さえも感じない。セブンの言ったとおり、簡単には尻尾を出してはくれないようだ。
(なるほどな…じゃあ、人気の少ない場所を選ぶか…)
足を港へと向けた。

彼が港沿いの倉庫街に差し掛かったとき、突然背後から強烈な殺気を感じた。
「ビンゴ!」
振り向きざま銃を向ける。
しかし……
(さっきの奴じゃない!?)
その相手は、視線も殺気も、つい数刻前に相手にした殺人鬼とは比べものにならないほど強かったのだ。

ジェシーの腕は考えるより早く反応し、銃撃を始める。
続けざまに2発・・・しかし、相手はそれを見切ったようにその位置から消え、予想だにしない位置から銃撃をしてきたのだ。
ジェシーも身体を転がすように物陰に飛び込み、体勢を立て直して備える。
そして、暫しの静寂・・・しかし、肌を刺すように飛んでくる殺気が、まだこの命を賭けた遊戯が終わらぬ事を表していた。
ジェシーはカラカラに乾き、開くのも億劫になった唇を舐め、釣り上げるように歪めて笑う。
その表情は命を賭けた遊戯を楽しんでさえいたのだ。

(そっちが消耗戦を望むならば俺は…)
ジェシーは考えながらも、考えを行動に移していた…物陰に隠れるのを辞め、路地に躍り出たのである…
「さあ…打ってこいよ!ショウタイムだ!」
ジェシーの思惑通り、相手の殺気は右往左往と移動を始めた…
「おっと…せいぜい楽しませてくれよ?俺はこの射程ならば一発も外さない…」
相手は再び沈黙した…
(おやおや…心理戦には弱いみてえだなぁ…誰かさんみてぇにお人好しってか?)
しかし…その時、二発の実弾が左右からほぼ同時にジェシーを襲う…
「おっと…野良犬を怒らせちまったってか?」
しかしジェシーはそれを冷静に義手で払うと、相手の隠れた場所に2連射放った…
ビスッビスッと鈍い音が響いた…(装甲服ってか?ちと厄介だが…久しぶりの獲物だ…楽しませてもらわねぇとなあ…)
「出てこいよ野良犬ちゃん!!可愛い牙と爪を特製のヤスリで削ってやるから。」
ジェシーが軽口を二人の凶手に投げると、返礼が帰って来た・・・・。
「げっ!?」
帰って来た返礼は、銃弾の雨。
(M60かよ!?んんっ?何っ!?)
ジェシーが銃弾を避けながら倉庫の上の人影を見ると、そこには一人の少女がいた。肩に担いでいるのはスティンガー・・・・。
M60を撃っていたと思われるもう一人の少女も倉庫の上に上って撃ってくる。
(天気予報じゃ晴れだったのに、所により銃弾とミサイルかよ!?冗談キツいぜ。)

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