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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 57

「まぁ、今回はそれだけだ。暇があったらタワーに来い。飯をご馳走してやるさ。それと、最近この辺りに14人殺したC級犯罪者が潜伏してるらしいから気を付けるこった」
カーマインはそういい残して、月夜の闇に消えていった。
「あのにいちゃんの方がよっぽど危なくねぇか?」
「なぁに、ヤロウは剣術の達人さ。それより、噂の殺人鬼、ジェシーに俺達の活動資金に替えてもらうか?本当にヤバくなってきたし・・・・」
「とっくにそうしようとしてるぜ」
「うおっ!?」
いつの間にか、セブンの後ろにジェシーが立っていた。
「びっくりするだろが!」
「へっ!この程度で驚いてんじゃねぇよ。」
どうも、ジェシーの口調が違う。よく見ると、両手にはコルト・パイソンが握られている。黒の防弾コートを着て、月夜の闇に良く似合う姿だ。
「ここしばらく、俺の出番が無かったからなぁ。運動不足なんで、殺人鬼捕まえようと思ってな。」
「手ぶらじゃねえか。」
「闘ってる途中に一般人と出くわしてな。気を取られてるうちに見失っちまった。」
「じゃあ、警戒して、そう簡単には捕まえられねぇって。」
「なぁに、そう簡単に楽しみは逃がさねぇさ。戦いは『俺』にとって、生きがいなんだよ。お前が冒険を生きがいてしてると同じように、ジェシーが考古学とマリーを生きがいとしてるようにな。」
「おいおい、お前もジェシーだろが。」
「『俺』はジェシーじゃない。『俺』の名前は、『ゼロ・ヤコブ』・・・・。」
「ゼロ!?じゃあ、あの預言者と何か関係が・・・・?」
「それはまだ言う時期じゃない。」
「時期・・・・?」
「この話はまだ脚本もキャストも決まってないのさ。カーテンコールにゃ、まだ早い。」
「どういう事だ?」
「勘弁してくれ。『俺』はあんたを結構気に入ってる。でも、言うわけにはいかないんだ。ま、時期が来たら話すさ。そん時までに、あんたや俺が生きてたらな。さて、まだ決まってもない事を話すのは終わりだ。俺達は今やれる事をやればいい。あんたはレースの準備、俺は資金提供と応援だ。そうだろ?じゃな、朝には戻るぜ。」
そう言って、ジェシーは再び獲物を追って闇に消えた。
「なんだなんだ?俺にはサッパリだったぜ。」
「おやっさん、気にすんなよ。あいつの言うとおり、考えたって仕方ねぇ。帰ろうぜ。」
(あの人も僕と同じように…影を抱えているのか?)
「おいチビ!おいてくぜ!」
(だけど…僕には過去がどうであれ、迎え入れてくれるファミリーがある…そして、セブン・ジルラントという相棒がいる!今の僕にとってはそれが全てだ…それでいいじゃないか!焦ることなんかない…セブンならば迎え入れてくれるはずだ…たとえ、どんな過去があったとしても…多分)
「待ってよ〜!つうかチビって言うな!」三人は暗闇へと消えていった…

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