PiPi's World 投稿小説

ワイルド7
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 53
 55
の最後へ

ワイルド7 55

「ねえセブン…僕が何者だとしても今までみたいに接してくれる?」ナナシはセブンにしか聞こえないほど小さな声で話しかけた「急に何だよ?」「今朝会った、あの占い師覚えてるよね?」「ああ…あの不気味な雰囲気の女だろ?」「うん…あの人…僕と似た雰囲気がしたんだ…全く違うんだけど…どこか近いような…そんな感じが…」「そんで?」「会ってきてみようと思う…セブンがカーマインに僕のこと調べてもらってくれてるの…知ってたんだよ…」「いいのか?何もわからなかったら…また…」
「確かに何も解らないかもしれない…だけど、何も知らないまま一生過ごすなんて嫌なんだよ…セブンと会って五年近くたつのに…何で年をとらないのか…やはり知りたいんだ…自分のことだから…可能性が少しでもあるのなら調べてみたい…」「分かった…行ってこいよ…だが、これだけは約束しろ、どんな結果だろうと必ず戻ってくると…おまえが何者であったとしても、俺の最高の相棒であるという事実は変わらねえ…」「わかった…行ってくるよ」そう言うと他のクルーには気付かれぬよう、ナナシは船を後にした…
しばらくしてナナシは、ラケルの部屋まで来ていた…部屋中白塗りで心の内深くまで見透かされるような気分だ…「あなたが来るのはわかっていた…知りたいのは未来でなく過去であろう?」「うん…何かわかる?」「…悪いが…うやむやなビジョンしか見えぬ…濃い紅…血の色…そして目映いばかりの白…そして限りない暗黒…今言えるのはこれだけだ…」「そ…それだけ?」「ああ…最後に目映く輝く瞳がお主の内に眠るものを解き放つと…」「なんか抽象的なものばかりで…わかんないなあ…」「すまんな…現時点ではこれが限界だ…」「いや…ありがとう今まで何一つ分からなかったんだから…大いなる前進だよ」
「最後に言っておこう・・・あなたはいずれ最も大切な存在を失うことになるだろう・・・だが、失うことであなたは、それまでは望んでも選れなかった・・・安らぎの場を得ることが出来るのだ・・・」
占い師の言葉を背中に聞きながら、ナナシはその場を後にしたのだ。

「最も大切な存在を失う?結局何一ついいことは言われなかったな…あの人の言ってることが真実ならば、過去を知ろうとするのは良くないのかな…」ナナシは物思いにふけりながら町中を歩いていた…すると、いつの間にか数人の男たちに囲まれていた…「おまえ…確か、ジルラントとか言う奴んとこのガキだよな…」「あの船を奪うチャンスがこんな所に転がっているとはなあ…」(おおかた、小者の兇族ってとこか…)

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す