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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 47

「じゃあ、マリーもあの話はしばらくなしだね。」
ジェシーが嬉しいような残念なような顔をしてマリーを見る。
「そうですね。身重の身では無理ですから。」
マリーも同じ複雑そうな顔をする。
「なんの話だよ?」
「マリーがリーパーになりたい、って言い出してさ。ちょうど次の星には全銀河犯罪取締局の本部があるから、情報収集を兼ねてテストを受けよう、って話だったんだけど。」
「リーパーって、どうやってなるの?」
マリエルは知らないらしい。
「書類審査と口頭面接、で実戦テスト。」
「まあ、ベルグリスについたら、ゆっくり静養を取らせるからOKだろ?」「ええ、それなら」「こいつの性格だと、船を降りて子作りに専念しろっても無理だからよ…ベルグリスについたら二人が子供を産むまでベルグリスに止まるか…」「そうね…二人とも初産だから無理は禁物だわ…」「ちょうど良いから、いま作ってる戦闘機でレースに出てもいいかなって思ってんだ…」「こんなご時世でやってるのかキャプテン?」「ああ…今年も普通に開かれるみたいだぜ…皆もこれを機会に陸での生活を楽しんだらどうだい?」
さて、ルドラに着いた、ワイルド7だが、ドックの様子がおかしい。
人がある一点に集まっていた。
「なんだありゃ。」
「芸能人でもいるんじゃない?」
「!!・・・芸能人じゃないね。まさか、ラケルがベルグリスに現れるなんて。」
ジェシーは知っているようだ。
人だかりの中から、一人の女性が現れる。
美しい黒髪が踝まで伸び、脚も長い。薄布のような衣服を纏う姿はまさに神秘的な絶世の美女だった。
「何者だ?こっちに来るぜ。」
「ラケル。全てが謎に包まれた預言者。的中率は百%だって話さ。」
「百%、ですか?」
マリーは思わずジェシーの背後に隠れる。
ラケルはそのまま、セブン達に近づき、クルーを見回した。そして、セブンの顔を見た。
「お主・・・・」
『なんて声だ・・・』
その声は銀鈴を振るかのごとく美しい声だ。
「獅子に気をつけるが良い。牙と爪でお主を襲う。」
「ど、どういうことだ?」
「言った通りのことだ。私が気をつけろと言っているんだ。気をつけた方が良いぞ。」
そして微笑みながらラケルはノーラとマリーを見る。
「そなたらは女と男をそれぞれ産むだろう。」
「なんで、知ってるのよ?」
「私は全てを見通す者。まぁ、そんな事はどうでも良い。」
そう言って、ラケルはジェシーを見る。
「四百年ぶりだな『ゼロ』。」
「・・・・?何です?俺の名前はジェサイアだけど。」
「・・・・そうか、『リセット』をかけたために、記憶を失ったか。残念だ。かつての友に会えたというのに。」
ラケルは残念そうにしながら、行ってしまった。
「あいつ、狂ってないか?」
「さぁ、少なくとも、各国政府はそう思って、指名手配してる。リーパーには捕まえる権利はないけどね。」

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