PiPi's World 投稿小説

ワイルド7
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 42
 44
の最後へ

ワイルド7 44

「『ストームブリンガー』・・・。じゃじゃ馬なもう一人のお前にはぴったりじゃ。主人格のお前が得意な刀も内蔵されとる。」
「ジェシー、刀使えるのか?」
「普段はもう一人の俺に任せっきりだからあまり使わないんだけど、一応遺跡内での自衛手段にね。」
「ほれ、いつまで突っ立とるんじゃ?!さっさとお嬢ちゃんをベッドに寝かせて、お前も入院の準備をしろ!!お嬢ちゃんは装着手術。お前は調整せにゃならんのだ。お主らはさっさとこいつらの着替えなんかをさっさと取ってこい!!!」
「わ、わかりました〜!!」
「ローザ!・・・来てくれ!!」
アッシラは奥に向かって声を掛けると20代後半ぐらいの女性が出てきた。
「このお嬢ちゃんのボディーアーマーの採寸をしてやってくれ・・・」
「あいよ・・・じゃあお嬢ちゃんを奥に運ぶからね」
「それが終わったら作業室にな・・・ワシは用意をしとるでの」
ローザを言う女性は、マリーを抱え上げると奥へと引っ込んで行ったのだ。

船からマリエルがマリーの衣服を持ってやって来た。
医者である彼女は、装着後診察を兼ねてここまで来たのだ。
マリエルが到着してすぐ、アッシラとローザが出てきた。
「できたぞい・・・今度は小僧の番じゃ」
その後ろから付いて来たのはマリー・・・手足は銀色の義手、義足。それはまるで中世の騎士の甲冑のような無骨な物であった。
そして、身体はハイネックの水着のようなボディーアーマー・・・生地は薄く、身体のラインを余すところ無く見せ、足の切れ込みもかなり深いデザインだった。

水着のように薄くともこのボディアーマー、防弾、防刃に高い効果を持つ代物である。
かなり高価な物であるが、セブンは躊躇無く金を払ったようだ。
ジェシーはと言うと、顔を真っ赤にしてマリーを見ている。
ある種、裸より刺激的かもしれない。
「有難う御座います・・・こんなにしてもらって・・・このお礼は、この身体で返しますわ」
手足の調子を確かめながらそう言うマリーに周囲はコケる。意味の分かっていないマリーだけがきょとんとしていた。
「マリーらしいわ・・・じゃあ少し診察しましょ・・・」
マリエルが質問しながら、神経と義肢の接合具合を確かめる。そして、全て問題無い事を確かめると、マリーに法衣を渡した。
マリエルから法衣を受け取り、袖を通すマリー。長袖なので無骨な腕は隠れているが、下はスリットが腰まできているので足の方は見えてしまう。
服を調えるとマリーは、正真正銘のシスターとなったのだ。

「さて、今度は小僧の番じゃな・・・」
アッシラは、かなり威圧感のある黒鋼の合金の両腕を作業台に置いた。

手首の外側から腕の前方に向かって、鈍い光を放つカタールのような刃物が飛び出し、もう一本手首を支点に日本刀のような刃が腕の横の部分から飛び出していた。
アッシラは刃物をカチンッと収納させると、ジェシーに向かって言った。
「コイツは戦闘用でな、両手に電撃を加える刀と高周波の刀を装備しとる・・・左手はお前さんのと一緒、ウインチ。右にはビーム霍乱幕を装備じゃ・・・ただし、前のと比べると反応速度は落ちとるが耐久性は数倍ある。それと、小物入れはねえからな・・・」
「じいさんっ!、すげえな、これっ!」
「ドクターと呼べぇーっ!・・・小僧のもお嬢ちゃんのも、取替え式のバッテリーパックでギミックは動くから、バッテリーの残量は頭にいれておけよ」
そう言ったアッシラは、ジェシーの義手を分解していき、新たな部品を付けていく。
全てが終わると、ジェシーの両腕は、黒鉄色の腕となったのだ。
「ところでDr?・・・この星は何があったんだ?」
全て終わりセブンがアッシラに話し掛ける。
「異星人の襲来って事になっとるが・・・あの手口は兇賊じゃな・・・」

「兇賊?ここら辺だと、ハイエナかな。」
ジェシーが左腕に装備されている刀「雷切」を抜き、五行の構えの一つ、正眼に構え、雷切の感触を確かめながら話に加わる。
「たぶんそうじゃろう。女海賊はこんな事はせんからな。ロロンの獅子ズラがやったとも限らんがの。こらっ!!こんなとこで刀を振り回すな。地下の鍛錬場にでも行かんかい!!」
「わかったよ。それにしても、まだあるんだなぁ。懐かしいなぁ。」
ジェシーは左腕に刀を刃の部分から入れていき、柄の部分が入ると刀を収納するホルダーが閉じて、左腕は原型を取り戻した。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す