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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 43

「セブン!、あれ?!」
ナナシが指し示した方向には、無事に残った区画・・・その中の小さなビルに『アッシラ・ラボ』の看板が・・・
「ナナシ、ジェシーとマリーを呼んでくれ・・・」
セブンはそう言うと、看板の所に向かって行ったのだ。

セブンは店の前で片付けをしている頑固そうな老人に話し掛けた。
「Drアッシラ、義肢をお願いしたいのだが、よろしいかな?」
老人はセブンを睨むように見ると、こう言ったのだ。
「こんな状況じゃ!、新品はねえぞ・・・あり合わせで良ければ作ってやるがの」

「それでいいぜ、ジプニスの人間だってこの様子なら必要だろ?・・・俺達は何でもいいさ」
老人はセブンを見てニヤリと笑うと、店の中にセブンを招き入れた。
「気に入ったっ!、アンタには、ちいとええもん選んでやろう・・・何がいるんじゃ?」
「Dr、すまない・・・1人が左腕の修理、もう1人が両腕と両足なんだ」
「両腕、両足か・・・なら戦闘用のゴツいヤツだが揃ったヤツがあるぞ・・・一般人に付けてやれる代物じゃねえから、それを改装して付けてやる」

アッシラとセブンがそんな会話をしている所に、マリーを背負ったジェシーがやって来たのだ。
「じいさん!、生きてたのかっ!」
「ドクターと呼べい!・・・お前だったのか、小僧!」
「じいさん、俺は後回しでいいから・・・彼女を見てやってくれっ!」
じいさんと呼ぶなと起こりながらも、アッシラはマリーを見る。
「こんな綺麗なお嬢ちゃんに、戦闘用は不憫じゃなぁ・・・」
そう言うアッシラにマリーは微笑んだ。
「ぜひ戦闘用にしてください・・・常に夫の傍にいたいのです・・・」

「夫ぉっ!?」
「小僧!!!いつの間にこんなべっぴんさんと結婚したんじゃ!?」
ミレイユが叫び、アッシラはジェシーに詰め寄る。
「ま、待ってくれよ。そんな事よりマリーだ。なに考えてるんだ!!戦闘に参加するつもりか!?」
「いいでしょう?」
「だめだ!!戦闘は俺たちに任せて、君は船に居ればいい!!」
「マリー、ジェシーの言うとおりにした方が・・・。」
「いやですっ!!私はこんな身体でジェシーや船長さん達に迷惑をかけました。だから、恩返しがしたいんです。それに、ジェシーと片時も離れたくないんです。」
ジェシーやノーラの説得も受け付けず、決意ある瞳でマリーは言い切った。
「・・・・あい、わかった。お嬢ちゃんには戦闘用をつけよう。」
「じいさん!!」
「ドクターじゃ!!!あそこまでお前を想ってくれとるんじゃ。無碍にはできん。それに、お前がいざという時に守ってやれば良かろう?結婚祝いにお前には街がこうなる寸前に完成した、ワシの最高傑作をくれてやる。そのズタボロはもう駄目じゃ。」
アッシラはそう言って、作業台に乗っている布にくるまれた物をジェシー達に見せる。
中身は黒鋼の合金の義手だった。

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