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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 22

セブンは周りを見渡していたが違和感を感じていた。
遺跡荒らしや盗賊関係にしては、様子がおかしい・・・取り囲んでいる者達は、こちらに怯えに似た感情でこちらを見ている。
他の者は気付いていないようだが、勘の鋭いセブンは、その微妙な感覚を掴んでいた。
セブンは無造作に見える足取りで、少し前に出る。そして手を大きく開くと物陰に向かって叫んだのだ。
「おーい、出てきてくれ・・・俺達は君らのような子供達に危害を加える気は無い!」
周囲がセブンの行動に驚く中、15歳ぐらいの少年が出てきたのだ。
「・・・よく俺達の事、分かったな」
おそらくこの少年がリーダー格なのだろう・・・周囲から顔を覗かせている子供達は、心配そうに様子を見ている。
「嘘だろ・・・俺達を囲んでたのが子供なんて・・・」
「ほんと、よく分かったわね・・・」
ノーラやジェシーが感心をしながら様子を見る。

セブンは、よっこらしょっとその場に座り、少年の方を見る。
白い髪に赤い目の少年・・・かなりの美少年だが、着ている服は粗末だった。
「この遺跡は生活出来る所があるのかい?・・・お嬢ちゃん」
「おっ、お嬢ちゃんーっ!!・・・」
クルー達が驚き、目の前の少年も驚きながらセブンを見る。
「・・・よく、分かったなぁ」
「まぁ、ニオイかな・・・」
野生の勘のようなものを発揮したセブンを見て、信用できると思ったのか少年(少女?)は硬い表情を崩した。
「この先に食料プラントが生きてるんだ・・・兄ちゃん達は遺跡荒らしじゃないのか?」
「まぁ、似たようなもんだが・・・必要な物だけいただいたら消えるさ・・・」

「俺の名前はミレイユ・・・兄ちゃんに頼みたい事があるんだ!」
正直に答えるセブンを、信用できる人間と見たのか、ミレイユと名乗った少女は真剣な表情でセブンに言った。
「聞ける願いなら聞いてやるぜ・・・」
「じゃあ、ついて来てくれるかい?」
あえて全てと言わないセブンに、ミレイユは少し微笑み言葉を返す。
「んじゃ、ノーラ、ジェシー・・・ついて来てくれ・・・ナナシ後は任せた」
「うん、任された・・・」
セブンはそう言うと、ミレイユと子供達について行ったのだ。
ついて行った先は、食料プラントだった。
よほどしっかりとした造りだったようで、この時代でも稼動していた。
その奥に進み、子供達の居住区に入る。その一室へとミレイユはセブン達を案内したのだ。

「マリー・・・入るよ・・・」
入った先で、セブン達は息を呑む。
ベットの上で座っている少女・・・その少女には手足が無かったのだ。
途中から、無理矢理切断されている・・・その無残な姿に一同言葉も無かった。
「前に遺跡荒らしを撃退した時に、車にいたのがマリーなんだ・・・手足を切られて、男達の玩具にされていたんだ」
悔しそうに言うミレイユ・・・彼女も男によってつらい人生を送ってきたのだろう・・・その憤りがあった。
「でも、主はミレイユと巡り合わせてくれました・・・信じていれば必ず救われますわ・・・」
優しく微笑む少女に全員胸を打たれる。特にジェシーはその思いは強かった。
「何とかしてあげれないか、船長・・・」
セブンは無言で頷き、無線機を取り出した。

無線の相手はリリアンだ。
「はい、船長。修理ならもうちょっとかかりそうです。」
「いや、修理の事はおいといて、機械義肢って、お前や親方はつくれるか?」
「整備なら出来ますが、製作は専門の人に頼まないと無理ですね。外科の部分もありますから。」
「・・・そうか、わかった。修理は続けてくれ。・・・駄目だ。俺達の技師も作れないそうだ。」
セブンがミレイユに言うと落胆した表情を作った。
「仕方ありませんわ。これも、神が私にお与えなさった試練でしょうから。」
「・・・製作者なら、俺の知り合いにいるよ。」

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