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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 18

「セブンが言うんなら文句は言わないし、仕方ないんだけどさあ…」船に帰り、事情をみんなに話したのだが、少々ナナシの機嫌が悪い…どうやら多人数で群を成すのは苦手なようだ…「これだけ大所帯になると、その遺跡での発見が必須ですね…」そう言うとナナシはクルーたちが集まったコクピットを離れる…「おい!どこ行くんだよ?」「発掘のための準備に決まってるよ…僕がしないと…」そう言うとスタスタと去って行った「弱っちまったなあ…」
ナナシの部屋にノックの音がする。セブンじゃないのは分かっている。あの人はノックなんてしない。そう思ってるとドアが開いた。
「準備、手伝うよ。」
入って来たのはジェシーだった。
「・・・・いいですよ。一人でできますから。」
「まぁまぁ、これでも僕、一応考古学者なんだからさ。」
愛想無くそっぽを向くナナシに近づいていく。
「へぇ、結構いい機具が揃ってるね。」
ナナシが準備するのを手伝いながら、ジェシーは感心した。X線探査機具や自動で発掘してくれる(ただしおおざっぱなため細かい所は手作業な)阿修羅アームなどの性能の特にいいのが揃っていた。
「ひとつ、聞いていいですか?」
「なんだい?」
「どうして、考古学者なんてやってるんですか?」
「・・・父も考古学者だったのも大きいけど、やっぱ、ワクワクするからかな。わからない事が判るのは楽しくないかい?」ジェシーは子供のように目を輝かせる。
「・・・楽しいですね、多分。」

そんな雑談をしてる内に準備が整った。
「これで準備はよし。」
「じゃあ、ナナシ君、明日はよろしく。」
そう言ってジェシーは自分の部屋に戻って行った。
ナナシは考える。
群れるのはあまり好きじゃない。他人に自分を知られるのが嫌だから。数人ならまだいいが、あんまり大人数になるとその分だけ、自分が人に知られる事になる。それが嫌だった。
・・・でも、たまには群れるのも良いかもしれない。
心のどこかでナナシは知らず知らずのうちに思っていた。
また扉が開く…今度はノック無しだ「何か用なの?」「…たくよ…変なとこでスネやがって…ガキが」セブンはそう言うとナナシの頭を掴み、小突いた「明日は頼むぜ『相棒』」それだけ言うとセブンは出ていった…(らしくないね…でもありがとう…)この人になら寄り添って生きていけるだろう…記憶のない、昔を知らない自分の虚空を埋めてくれる…セブンなら…

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