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ワイルド7
官能リレー小説 - SF

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ワイルド7 14

「その、アイツらはどんな奴でした?」
ジェシーが冷静に聞く。
「あんたと同じぐらいの背格好に同じ髪の色、両腕に十字の入れ墨をしてる男だ!!どうせ、あんたなんだろ!!」
ラモンがジェシーの右腕を掴み、袖を上げると。
「うっ!?」
「残念ながら、僕の腕には入れ墨は入れられないんだ。」
「機械義手・・・」
「左腕もだよ。子どもの頃に事故でね。」
「姿からして、ますます怪しいぜ…」男たちの疑いの目は晴れない…「…わあったよ…仲間に入ったばかりだが、クルーはクルーだからな…」セブンはジェシーの肩をポンポン叩き…「真犯人とやらはオレが捕まえてきてやる…ジェシーくん、君はまた襲われないとも限らねぇから、お留守番ね…」そしてノーラの手をとり「君もだぜ、お嬢さん…顔色が優れねえからな…船を頼むわ…チンピラどもはナナシと二人で十分だろう…ってことでいいかね?マスター?」
「ダメだ。俺が行く。俺の名前が使われたんだ。落とし前はきっちりつけさせてもらう。」
ジェシーはそう言って、場を去ろうとする。
「お、おいおい、どこの誰かわかるのか。」
「ああ、こいつだよ。」
ジェシーは懐から賞金首のリストを出す。
その中の一枚にそれはあった。
「C級犯罪者、フタレイン・グリエル、賞金額580万テラ」
「あいてはチンピラのレベルを超えてる。素人がかなう相手じゃない。」
「そりゃ、無理な相談だね。クルーが戦うって言ってんだ。キャプテンが留守番はないだろ。」
「わかったよ。」
ため息をついて、ジェシーは了解した。
「ノーラは船に帰って、ナナシに事の次第を伝えていてくれ。」
「気を付けてよ。いきなり誰かが二代目就任なんていやだから。」
「心配すんない。こっちにゃ、期待の新鋭リーパー、レトロガンナー君がいるんだ。」
セブンはジェシーの肩に肘を置く。
「期待を裏切るようで悪いけど、戦いになったら、自分の身は出来るだけ自分で守ってね。」
「そりゃないぜ。」
「相手は50人を超えるんだ。セブンだって、腕っぷしには自信あるだろ?」
「まぁな。」
「ピンチの時は助けるさ。」
・・・・郊外の工場廃墟にフタレインのアジトはあった。
「フタレイン、あんな騒ぎぐらいでレトロガンナーの奴、来ると思うか?」
「来てもらわなきゃ困るさ。俺たちも、アイツもな。心配すんな。」
ソファーに座る銀の髪の男。両腕にはラモンが見た十字の入れ墨。
「名を上げるにゃ絶好の獲物だ。なんせ、あんなおとなしそうな奴がレトロガンナーなんだから。」
フタレイン達はセブンとジェシーが会った酒場でジェシーを知った。
これが不運の始まりだった。彼はジェシーが二重人格者である事とセブンの強さを知らなかったからだ。

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