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モテモテの世界
官能リレー小説 - SF

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モテモテの世界 12

「で、その女神様が何で僕をこんな世界に?」
「秘密です」
「秘密って……」
「気が向いたら教えてあげます」
「逆に言えば、気が向かなければ一生教えてくれないんじゃ?」
「それよりも幾つか伝えておく事が有ります」
僕の疑問をスルーして彼女は語り出した。
・基本的にこの世界での僕の経歴は変わっていない。
・両親に会おうと思えば会えるが数年は父親の海外勤務が続く。
・今日まで童貞だった。なので僕が知らない肉体関係は無い。

「へぇ。他には?」

「無いですね」
「無いのかよ!」

なんていい加減な!
こいつ本当に女神かよ。

「まあ、あれです。
 とにかくモテモテにしてあげたので、それで面白おかしく暮らしてください。
 別にあなたに損は無いんですから」
「いや、確かにマイナス要素は無いけどさ…
 理由も分からず、急にモテモテにされたら、普通警戒するだろ。
 ……まぁ、さっきは勢いに飲まれてヤちゃったけど」

大事な事を隠されたままって言うのは何とも気持ちの悪いものだ。
僕は操り人形じゃ無いんだぞ。

「チッ、女神様のお慈悲よ、素直に受け取りなさい」

えー! この人、今舌打ちしたよ!
なんか急にキレ出しちゃったよ!
見た目はめっちゃ女神なのに、中身はかなり残念な部類なんじゃないの、この女神様

「それでは、私はまだ仕事があるので、これで失礼しますね。
 ああ、それとそこの2人には、私の事は忘れてもらいますから。
 一般人が女神を認識する事はまだ早いので」

そう言い終わると女神様はサッと手をかざす。
すると、それと同時に美咲と優奈が眠りに落ちる。

「はい、では引き続きモテモテ生活を見せてくださいね。
 私はいつでも見守っていますよ」
「ちょっと! そんな適当な!
 ちゃんと説明してくださいよー!」

言いたい事だけ言った女神は、さっさと光に包まれると、あっさり消えてしまった。
後に残されたのは、虚しく響く僕の叫びだけだった。
「あ、あれ、私……」
「んんっ…此処は?」
2人が意識を取り戻した。
「ふ、2人とも、大丈夫?」
「あれ、私、寝てた?」
「私もですか?」
「う、うん。2人して急に寝てるからビックリしたよ」
女神様云々の話は出来ないし、出来ても証拠も無いから無難に話を終わらせよう。
「そう。私、疲れてるのかしら?」
「それはそうですよ。私よりも沢山運動してるんですから」
「運動してると言うよりさせられたと言った方が正しいけどね」
美咲が半目で僕を見ながら言った。
「そ、そもそも美咲が勝手に計画して話を進めたんだから、ある意味自業自得だろ?」
「それを言われるとね」
という事で話は終わったのだった。

「私、そろそろ帰りますね。」
優奈は帰る前に僕の頬にキスをして玄関の方へ歩いて行った。
「それじゃ、私も。」
美咲も帰ろうとしたら優奈が止めた。
「健吾を1人にしたらかわいそうですよ。先輩は泊まって行けばいいじゃないですか。じゃ、また。」
「え!ちょ!」
優奈は帰って行った。
「け、健吾も私に泊まっていってほしいみたいね」
僕は無意識に美咲の腕を掴んでいた。
美咲は赤くなっている顔を僕に見られたくないのか、僕の方を見ようとしない。

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