モテモテの世界 1
僕の名前は山西健吾。高校生だ。はっきり言ってモテない。いきなり目の前にひと1人通れそうなドアが現れたけど、ほかの人には見えていないみたいだった。そして、どこからか、女の人の声が聞こえてきた。
「このドアを開けて中に入れば、あなたの思い通りになる世界が待っているでしょう。」
言われるまま僕はドアを開けて中に入ると、まぶしい光に飲み込まれたと思ったら目の前に女の人が立っていた。
「確か、僕より1つ年上で、生徒会長の伊藤美咲」
「なにボーとしてるの?」
「え?いや、その。」
「そんなんだからカツアゲされそうになるんでしょ。」
地面を見ると不良が2人倒れていた。
「伊藤さんがやったのか?」
「軽く手刀で気絶させただけよ。私が本気出したら、今頃、彼らは病院行きよ」
伊東美咲は生徒会長で空手の達人だった。姉は大学生で、母親はうちの学校の教師だ。
「それと、私たち付き合ってるんだから、美咲って呼んでっていつもいってるでしょ。」
「え、あっ、はい……じゃなくて美咲なんでここに!?」
「なんでって今日はデートする約束でしょ!
忘れたとは言わせないわよ!」
えっ、デート?
伊藤さんと恋人なの?
なんだこれ夢なのか??
あまりの事に理解が追いつかない。
ああ…そういえば今勢いで伊藤さんの事名前で呼んじゃったよ。
「ほら、行くわよ時間が勿体無いわ」
「おっとと…行くってどこに……」
美咲……でいいのかな。
美咲が強引に僕の腕を引っ張ってくる。
「会員制レジャープールのチケット取れたって、この間伝えたじゃない」
「ああ……そんなに引っ張らないでよ。
それにそんなにくっ付いたら胸が腕に……」
美咲の形の良い胸が僕の腕に押し付けられてるよ!
柔らかい感触が伝わってくる。
「そんなのどうでもいいわよ。ほら歩く!」
そのまま僕は連行されるように、目的のレジャープールとやらに連れて来られてしまった。
※
「それじゃ受付済ませて来るからあなたは……
ああ…そこの売店で水着を選んでおいて、勿論私の分もね。
可愛いのを頼むわよ。」
「えっ!美咲の分もなの!?」
「それじゃあお願いね♪」
指示だけ出して美咲は行ってしまった。
女物の水着を選んでおけって、これかなり恥ずかしいんですけど!
でもあの先輩の命令だし……
言われた事やっておかないとあの人怖いんだった。
僕は意を決して売店に入る。
「えっと…とりあえず自分用のは……ああ、これでいいや。
んっ? うわっ、安っ! 水着ってこんな安かったけ!?」
あまりの安さに驚いた。
市販価格の十分の一くらいじゃないかこれ。
「ま、まあ会員制施設だし別の所で儲けてるんだろうな……うん」
ちょっと取り乱してしまった。
気を取り直して美咲の分も選んでおこう。
「えっと…女物はこっちか……
って、オイィッ!」
女物の水着売り場を見た僕は、その商品ラインナップに思わず声を上げてしまった。
「紐、ひも、ヒモ!!」
目の前に広がる棚には、布面積が殆ど無い紐のような水着がズラリと並び、売り子のお姉さん達も紐のような水着を着て、接客してるではないか。
「ちょっ!これは!?」
反射的に顔を背ける。
「……って、こっちはスケスケ!!!?」
今度はスケスケ水着の棚が目に飛び込む。
勿論そこの売り子さん達をスケスケ水着着用だ。
ビキニやワンピースといろいろ種類は有るけれど、どれもこれも向こう側が薄っすら透けてるじゃないか。
売り子のお姉さん達にいたっては、乳首やアソコの毛が分かっちゃうくらい透けてるよ!
これで更に水に濡れたらどうなっちゃうんだ!?