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過去の世界へ
官能リレー小説 - SF

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過去の世界へ 8

 美沙先輩は、小学校の集団登校の班が一緒だったくらいに近所だった。
 小学生時代の途中までは、男とか女とか考えず、お互いの家に行き来したり一緒に遊んだ。

 いつの間にか、美沙先輩の家が引っ越してしまった。いなくなってはじめて、僕はそれが初恋だった、と気づいた。
 頭の中では数十年前の話だが、それは覚えている。

 そして、僕が中三の夏、お互い少し大人に近づいて、僕は美沙先輩に久しぶりに会ったのだった。

バイトが終わり外山が待っている待ち合わせの場所に着いた。
外山「あー。こいつは俺のダチの三原理だ。合コンは今日が初めてだ。」
三原「三原です。よろしく。」
自分も自己紹介をすると、ちょうど、女性陣3人やってきた。
(あれ?真ん中の人は昼間バスにひかれそうになった僕を助けてくれた人だ。)
そこへ手短に、しかし鋭く真ん中の人が外山を叱咤する。

???「外山!貴方もう大学生でしょう?台詞の前に名前を付けないの!そういうのが許されるのは中高生まで!」
外山「はぁ?物理的にあり得ないんですけどぉ?何の話?」

ハッキリ言って僕に『そんな物は見えないのだが』お喋り上手な割に聞き下手な外山だと、誰かが喋ったら名前を強く意識しないと会話に困るのだろう。
価値観の違いという奴で責める気は全くないが、僕としては『話の前後を意識すれば台詞に名前を付ける必要などない』とは思う。
だから周りの人間で気を配れば、彼はそれなりに出来た人間である。
それなりに要領のいい外山は何かしら掴んだのか、幾らか冷静に真ん中の人に切り返していた。

「ハイわかりましたぁ中村先生ぇ。」
「よろしい。」

外山が真ん中の人を中村先生と呼び、彼女が誇らしげに(平坦な)胸を張った辺りで僕は大学卒業前後の未来を思い出す。

卒業直前に彼女が出来た外山は、さながら自分の手柄の如くアホみたいにガトリングやらロケランだとか自慢していた、クレー射撃部の彼女さん。
アィエー!日本の学生がピストル何で?ぐらいの知識ではしゃぐ外山はクレー射撃でググレカスであった。
多分彼女はそうした届け出の関係で地域の警察署に用事があったのだろう。

僕が社会人になってから呼ばれた二人の結婚式で、外山は俺みたいなバカに嫁さんが云々と号泣していた。
彼女は問答無用でビンタを喰らわせ、だから私がいる云々と説教していた。
そこでまた旧姓となった中村(先生)と軽口で呼び、ひっぱたかれていた彼の姿が思い浮かぶ。

そして僕は脂汗を感じていた、相当歴史が変わり始めていると。
平坦なバストの中村さんはおろか、三原という見るからに大柄かつ日焼けした体育会系で、おそらく武道をやっていそうな女性のバストは豊満であった。
バストのサイズはどうでもいい、外山との合コンでこの二人は全く見覚えがない。

「いようッ!遅れて悪かったなぁッ!」

そして三人目の男子が剣道部の大森、コイツは悪い意味で面識がある。
一見して文武両道なフインキいや雰囲気の真面目なスポーツマンだ。
ただし中身は美雪の前彼以上に陰湿で武道家イコール特権階級、サムライ基準を色々と勘違いした学のある大バカ。
元の歴史で僕と別れた後の美雪と付き合い、一ヶ月もなく別れてビッチの噂をまき散らした元凶だ。

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