処女搾乳物語〜their daily life〜 94
わざとらしく手を叩いてそのまま出て行ってしまうユリーナ。
「一体今の不吉な言葉は何だったのでしょうか?」
昨晩のことを知らないフィーナには分かる由もないことである。
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再び、秀憲とリーナ
二人はそのまま邸宅近くのバス停(?、のような乗り物乗り場、電停か?)から中心部へと向かった。
二両編成の車両。(車輪はついていないようだが)
中は乳族(それと少数の人間種の牡)で結混んでいた。
因みにリーナの機嫌はとうに直っている。
「なぁ、これ何で動いてるんだ?全然揺れないし…リニアか?」
何気に聞いてみる秀憲。
「リニア?リニアなんて大昔にもう使わなくなったおんぼろのやつよね?いまじゃ博物館にしかないわよ。詳しくは知らないけど、反重力使ってるんだと思うわ」
こんな些細な点でも技術力、そして自分が異星にいるんだと自覚してしまう秀憲。といってもそれは好奇心からによるものなのだが…
秀憲はふっと窓の景色をみると驚嘆せずにはいられなかった。
「凄いな〜ライラーファース星って街が自然と近代的なビル群が上手く共生してるなんて子供の頃に遊びに行った。シンガポールよりも遥かに綺麗で立派だよ。」
秀憲が地球に関して語るとリーナは珍しそうに聞いてきた。
「へえ〜地球にもライラファースに近い都市があったんだ。他にも知りたいようね。」
リーナの言葉に秀憲は首を縦にふって答えた。
「ふ〜ん、じゃあこの街のエネルギー源ってどうなってるの?」
電車(仮)の窓からきょろきょろ外を見る秀憲。秀憲、というか、男の子にとって未来的な世界にはあこがれるものだ。
今までのエディーネは牧歌的だったし(システムには驚かされたが)、フォルディーテ家はそこはかとなく、世界史の教科書で見た宮殿のようであった(勿論雰囲気のみだが)ので、このような未来都市には興奮してしまうのも無理はないだろう。