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闇の牙―牝狼―
官能リレー小説 - SF

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闇の牙―牝狼― 20



廃墟の並ぶ裏通り。
闇にまみれた冴子、風を裂いて疾走していた。
胃袋は満たされているが。
殺戮の衝動は満たされていない。
歴史の闇に葬りさられた同胞たちの例によれば…。
人間の縄張りで。
本能のままに行動する事がどんなに危険か。
知らない冴子でなかったが。
目的とする連中が近くにいるせいなのか。
殺戮の衝動は歯止めが効かぬ程、高まっていた。

ホームレスの酔っ払いなのか。
酔っ払いのホームレスなのか。
仲間から修造と呼ばれる中年男は路地裏で独り。
安物の合成酒を小便に変えている最中だった。

グルルルルッ――。
路地裏の奥。
闇が一段と濃くなった辺りから響く唸り声。

「…ん?ヒック――」
前後に揺れる身体のバランスを辛うじて保ちながら…。
修造は酒に濁った眼をその暗闇に向けた。
犬?恐ろしくデカイ。
ただ、この街では野良犬たちがホームレスに食い尽くされてから十年近く経っていた。
だから…この時の修造の酒に麻痺した思考回路では。
いるはずのない犬=食い物の幻影。
…であった。
だが修造にとって不運だったのは。
暗闇の主は……実在しており。
更にはそれが犬では無かった事であった。

だがそうとは気がつかない修造。
「く…食っちまうど!」
深い闇に向けて呂律の回らないダミ声を飛ばした。
「ん?…………」
修造が最後に見た物。
闇の中で鈍くも冷たく光る幽かな光であった。


警察病院。
「んはぁ!いいわ!いいわぁ!」
ボタボタと鼻血を滴らせながら。
ビシャビシャと熱い汁を撒き散らし指を動かし続ける美央。

その視線の先には。
ベットの上でやはり狂った様に自分の股ぐらをまさぐる美紀の姿が…。

恵理奈は今度はどう対処するのだろぅ。
それを思うと美央の全身は興奮に鳥肌立った。

そして…美紀を再度、壊しかけているのが自分だと恵理奈が知ったら。
自分は恵理奈にどんな目に遇わされるのだろう。
そんな事を考えると膣壁を擦る美央の指は止まらない。
「んあぁ!凄い!凄い!凄い!」
尻もちをついたまま、だらしなく股を広げる美央。
恵理奈の暴力を夢想して。
夢中で自分の股ぐらを擦り続けている。
「んがぁはぁぁぁ!」
虚ろに瞳で鼻血まみれの顔歪める真央。
全身がガクガクと震えだす。
そして熱い汁を淫猥な亀裂から撒き散らしながら…。
「ひぃあぁぁぁ!」
絶叫の様な声を上げ…。


CLUB『NightMare』にて。

廃墟に囲まれて浮かび上がるヨーロピアン風の建造物。
その博物館の様な外観から中のフロア数を測り知る事は出来ない。
横の廃墟で見ると3階ほぼ同位置に真っ赤なネオンが…。
闇の中に毒々しい光を放っている。
その下には観音開きの重々しい扉。

廃墟にまぎれる様に立つ数件の高級CLUBのひとつ。
この街で営業を成り立たせいるこの手の店は。
暴力団の管理下に置かれ…直接の収入源となっていた。
この街で一、二番の栄華を誇っている『NightMare』。
このCLUBも金龍会の持ち物であった。

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