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処女の惑星
官能リレー小説 - SF

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処女の惑星 18

いや・・・・やめておこう。私もいい年だ。冬眠して少しでも寿命を節約しておくことにするか・・・。
「冬眠する。用意してくれ。そして冬眠したら処女の惑星の大気圏に突入する前日に起こしてくれ。」
「かしこまりました。準備完了次第お呼びします。」

そして私は、冬眠に入ったのだ。
「…様、惑星大気圏に突入致します…」
「…ん…?……あぁ、ありがとう。」
予定より10日程早い到着だ。私は、目覚ましに顔を洗い、髭を剃り、惑星に降り立つ準備をする。
スクリーンに映る惑星を見ると、海があり、緑があり、川があり、地球に似ているが、惑星自体だいぶ小さい。
あそこには、私を待ってくれている人が…今でも待ってくれているのか?
鼓動が早い。
「今からでも大気圏突入出来ますが、どうされますか?」
「む、そうか?分かった、行こう。」
「了解致しました。」
重力がかかり、目の前が真っ赤になる。大気圏を抜けるのだ。

不意に頭の奥の方で誰かの声が聞こえた気がした。

「今度こそ見せてくれ。快楽の究極を」

快楽の究極……?胸が騒いだ。
「あんた、誰だ?」
私のつぶやきに声は答えなかった。

「答えろ!」
「きゃっ!」
不意に景色が激変した。
「ここは……?」
周囲を見渡すと美しい裸の少女たちが不思議そうに私を見つめている。
「帰ってきたんだ……」
言いようのない歓喜がこみ上げてきて、溢れそうになる涙を手の甲で拭った。
「!」
手の甲に刻まれた罪人の刻印がない!しかもしわもない若々しい肌だった。
まるで十年前のような……。
いや、おかしい。それでは話がうますぎるではないか。これは宇宙警察の連中が私に犯罪を助長させるために私の体に細工をしたのだ。思い返せば、私が牢獄にいるとき私の体に監視員が何かを埋め込んでいたがこういうことであったのか。衛星は常に私を監視している。私がこれで未成年の女の子と交われば向こうの思うツボである。彼女だけを愛さなければ、そのために私はここまでやってきたのだ。私は改めて雑念を捨てた。
「あなたは…何をしに帰って来られたのですか?」
「あなたはリ=スィパ神とは何の関係もないのでしょう?」
口々に少女達が言う。
「ビーニュに会いたい。ビーニュに、話があるんだ。」
「ビーニュ様ですか?」
「私ならここに居ります。」
背後から声がし、振り返るとそこにはビーニュが立っていた。
「宇宙警察の方にお話は聞きました。」

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