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処女の惑星
官能リレー小説 - SF

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処女の惑星 19

ビーニュは悲しげな表情で
「あなたはリ=スィパ神の遣いではなかったのですね。そのような人物を簡単に信用し体を許してしまった自分に憤りを覚えます」
周囲の女の子達も冷めた眼で私を見つめる。己の欲望のため快楽を貧った自分を恥じた。

「でも……」
ビーニュが言葉を続ける。
「それでも、私はあなたを愛してしまった。それに……ミーニャ、いらっしゃい。」
木の陰から裸の少女が出てきた。年の頃は9か10といったところか。まだ陰毛も生えてないし、胸も小さい。胸の大きい少女ばかりのこの星では珍しい。
ビーニュが不安そうにこちらを見つめている彼女の肩を抱き、私を指し示す。
「ミーニャ、この人があなたのお父さんよ。」
「!」
私はビーニュが妊娠していたことを思い出した。
「つまり・・この娘は・・・・。」
「ええ、あなたと・・私の娘です。」
「はじめましてお父さん、あたし・・・ミーニャです・・・会いたかった・・・。」
私はミーニャに抱きつかれた。そんな私の中で様々な感情が渦巻いていた。気づいたときには、私はミーニャを泣きながら抱きしめていたのだ・・・・。
「泣いてるの?」
私は静かに頷いた。ビーニュはどんな思いでこの娘を育てたのだろう。リ=スィパ神の遣いと信じて育てていた子の父親がただの性欲に狂った獣であったことを知った時、ビーニュは酷く嘆いたことだろう。それでも、ビーニュはこの子をちゃんと育ててくれた。私はあの時子供のことなんて考えもしなかった。ただ自分の快楽を満たしたい、それしか頭になかった。

「すまない、ビーニュ…私を許してくれ…」
「いいんです…あなたは…、こうして帰ってきてくれたのだから…信じて待った甲斐はありました。」
ビーニュが優しく私を抱きしめてくれた。
そのとき、また声が聞こえた…
『…OK…どうやらあんたを監視し続ける必要はなさそうだな…今まで待たせた分、彼女を幸せにしてやれよ…あんたの中に入っているこの通信チップは体内で安全に分解される…ガガ…コード…ガガ…CS2370D279…確認中…確認…解除シマス…』
「ありがとう…」
私は誰にでもなしに呟いた。

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