PiPi's World 投稿小説

処女の惑星
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 14
 16
の最後へ

処女の惑星 16

あれから11年、みんなどうしているだろうか。そんなことを考えながらようやく宇宙船の修理を終えた。ホッとしたのもつかの間、私のところに宇宙警察の輩がやってきたのだ。
「なんだ?私は何もしてないぞ」
「なんだ知らないのか?『宇宙淫行条例』が施行されたのを」
この一年間ずっと宇宙船に付きっきりだった私には寝耳に水の話だった。
「再犯防止のため宇宙警察が監視することになったのだ。よって我々がお前を監視するために来たのだ」
「そんなばかな…」
私は言葉を失った。

「ああ、そのことだけど・・・」
と、随伴か、弁護士風の青年が若干、修正した。
「ええと、くだんの星の女性から、結婚の申請があるんだ。先の条例で、先送りにされているけど」
「先送り?! 何年!?」
「10年。曰く、何年でも待つ気らしいよ」
その青年の台詞に、少し希望が見え出した。
「否、だが、条例で!」
警官が言い募るが、弁護士はもう一つと語る。
「その星も、その彼女を長とし、『一夫多妻制』を採用している。まぁ、平等に愛してやれば、条例にも引っかからないんじゃないかな?」
無論、愛せなければ条例違反でそのまま御用、だけど。
「ま、真偽の程は行ってみればいいよ。以上!」
青年弁護士はそれだけ言うと、警官に「よろしく」と言付けて去っていった。
「うぬぅ…」
警官は唇を噛んでいたが、やがて私の方に向き直った。
「おい、おまえはそれでどうするんだ!」
「答えは決まっています。彼女を妻に迎えます。」
私は彼を見据えて答えた。
「む…やはりそうか。ならば…ならば早く行ってやらんか!妻となる女性を10年も待たせるとは何事か!」
「…あ、ありがとうございます!」
「いいか、おまえは前科者だ、おまえの行く先をとがめる輩がいるかもしれん。その時は、『ルードリックの許可を得ている』と言うんだ。警察で私の名を知らない奴はいない。」

私はホッとした。微かに生きる希望を見出だした。
「勘違いするな、お前は監視をとかれたわけではない。またお前が未成年に手を出せば再犯ということで今度は10年どころでは済まなくなるからな。覚えとけ!」
宇宙警察の人間は私を戒めるように言った。正直残念な気持ちはある。以前のように少女の体を楽しむことが出来ないのだから。だが、私自身けじめをつけなければならないのも事実であろう。私もすっかり中年のオジサンになっているわけだし。宇宙警察が帰ると早速宇宙船に行く先をインプットした。到着は10ヵ月後になる。
私が宇宙船に入るとOSが起動した。OSの声がする。
若い美人秘書をイメージさせる女声だ。
「旦那様、本日はいかがなさいますか?」
「そろそろ宇宙に出る。行先は既に入力したとおりだ。用意はできているか?」
「はい。本船はいつでも処女の惑星へと旅立つことが可能です。」
応答しつつ私は操縦席に着く。冷凍冬眠しての自動発進でもいいのだが、折角だからここで出発を行なうことにした。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す