オレはあわてて救出に入ろうとした。

ビュン・・・ッ！ドガッ！！

しかしそれより先に、何者かがオレを横切ってアスタナビュートに体当たりをした！・・・って！？

「・・・・・・・・・姉さん、ダメ」

背後でサルモネラが初めてその口を開く。
そしてオレのの視線の先には吹っ飛ばされて気絶したアンジェラと、それを見事に受け止めたアスタナビュートが立っていた。
こ・・・コイツ、ミミを守るために仲間をブン投げやがった？

「だったら早くその男と交われ。
　そうすればおまえも、残りの奴らも解放してやる」

・・・！こっ・・・このアマ・・・！？
ぜっ、絶対この女だけは許さんっ！
オレは心の中の復讐対象者リストにサルスベリの名前を血が出るほどしっかりと書き込んだ。
一方のサルモネラは真っ赤になってこちらをチラチラ見るばかり。

「・・・・・・？？？？」
「フン、いつまで処女でいるつもりだ！？
　私の調合した媚薬で身体がうずいているのだろう！？
　無駄な抵抗などせず、とっとまぐわえっ！」
「・・・・・・っ！！（////）」

するとサルモネラは顔を真っ赤にさせておずおずとこちらのほうへ歩み寄る。
そしてオレの目の前に来ると、いきなりオレに抱きついてきた。

「っ！？」

いきなりの行動に言葉に詰まるオレ。
しかしそれは驚きによるものではない。

ギリ・・・ギリリ・・・

外見からは考えられない怪力でホールドされた恐怖で言葉を出せないのだ。
情けなくて悪かったな、くそっ！

「サルモネラ、抱きつくにももっと力を加減をしろ。
　ドワーフのおまえが力任せに抱いたら貴重なサンプルを殺しかねん」
「なっ・・・！？」

何てことを言い忘れてやがるんだ、このバカ！
マズい。これは冗談抜きにマズい。
この怪力娘をうまく抱いてやらんと何されるかわからん！
下手をしたらこのまま背骨をへし折られるっ！？
ミミとオルゾスを助けるための交尾が一転、オレが助かるための交尾に変わってしまった。
いまだかつてない命の危険に、オレは流れ出る冷や汗を止めることができないでいた。
とにかく解除を試みる。
「ぬ・・んん・・・ぐぐぐ・・・・・・・・」
渾身の力を込め、両腕を開こうとする。
ミシ・・・ミシ・・・・
そうする間にもサルモネラは強く抱きしめてくる。
オレの体中の筋肉が盛上がっていく。
「ぐ・・・・ぐあああありゃあ！！」」
バチン！！
　
　
「はぁ・・・・はぁ・・・・・」
オレはなんとか力ずくで彼女を切り離すことに成功した。
　
　
「さすがは最強種を集めただけのことはあるな。我らドワーフの渾身の抱きしめを解くとは。面白い。実に面白いよ。」
横合いからサルスベリが口を挟んでくる。