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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 60

「わかりません。ただ私は主からあなたを連れてくるようにと命令されただけですので」

ピキッ

ちょっとカチンときた。しかしここで怒ってはいけない。
2人を人質にとられている状態で、うかつに感情に任せた行動は取れない。
まして自分がいつ暴走するかわからないってのに。
クール。クールになれ。冷静になるんだ、オレ!

「・・・じゃあ、すぐにアンタの主とやらに会いに行こう。
 ここからけっこう遠いのか?」

怒りを静め、話題を変える。とは言え、距離のことは結構重要だ。
今までの経験上、最低1時間以上歩くことは覚悟しておかねばならない。
さすがに3〜4時間以上歩くとなればこちらもキレざるをえないが。

「いえ、それほど遠くはありません。
 道にもよりますが2分で着くかと」
「は?」

予想外の答えにオレは驚いた。いや待て。
今のセリフをよく考えろ。
オレの今いる部屋のまわりに2分以内で行ける部屋はあったか?
部屋の出入り口はいくつあった?
ない知恵を絞って考えるとどんどん出てくる矛盾点。
そしてそこから導き出される答えは?
勝手知ったる何とやら。
大メイドはズカズカと部屋に入ると、慣れた手つきで壁のレンガを幾つかいじり始めた。

ガ・・・ゴン、ゴゴゴゴ・・・!

すると何かが動く音がして、石造りの壁が開き始めた。
予想通り、隠し通路ってオチらしい。
それにしてもさっきから隠し部屋やら隠し通路だのが多すぎる。
ここには個人のプライバシーを守るって常識はないらしい。

「ここから我が主の部屋へ移動することができます。
 ・・・どうかしましたか?」
「いや、何も」

大メイドは少し怪しんでいたが、すぐに気を取り直してしゃべり始めた。


「それでは参ります。しっかり私の後についてきてください」

そう言うと大メイドは暗くて先の見えない通路へ姿を消した。
相手が反対派の連中なら間違いなくオレは殺されるだろう。
しかしオレは意を決して前へと進む。
大事なバカウサギと自分自身のために。
・・・もう1人いることにはいるが、それは犯してしまった詫びの代わりということで納得してもらおう、うん。

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