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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 59


「その水晶玉は私の主にあたる方が魔法で記録したものです」
「・・・?」

突然の脈絡のないセリフにオレは考えるのを思わずとめて大メイドを見た。

「私の主はこの映像を見てあなたに大変興味をお持ちになりました。
 お二方を介抱するように命じられたのもその方です」

何だ?この女、さっきから何を言いたい?
要領を得ない会話に首を傾げるしかないオレに、大メイドはため息1つついてこう言った。
それは驚いてばかりのオレの人生の中で最も衝撃を受けた言葉だった。

「・・・まだわかりませんか?
 主はあなたとお二方を人質に、あなたにモルモットになれ、
 そうおっしゃっているんです」
「・・・ッ!?」

大メイドの言葉にオレの思考は再び止まった。
人間、自分の予想を超える事態に遭遇すると呆気にとられるというが、この時のオレはまさにそれだった。
・・・『おまえ、ヒトじゃないだろ』なんてツッコミは受け付けません。
しかしコイツの主とやらは何てデタラメなヤツなんだ。
人のことをストーカーしていただけでなく、2人をさらった挙句にいきなり脅迫してくるとは!
あまりの展開に思考が追いつかず、呆然とするオレに、

パァンッ!

と左頬に衝撃が走った。
大メイドがオレを引っ叩いたのだ。

「・・・ッ!?」
「目が覚めましたか?
 申し訳ありませんが、早くあなたを連れてくるようにと
 主に命令されておりますので」

拒否権どころか考える時間もないのかよ!
と、思わずツッコミを入れそうになったところであることに気がついた。
確かに今の状態は最悪だ。
いつ自分が自分でなくなるのかもわからないし、それを防ぐ術もまたわからない。
おまけにストーカーからはモルモットの赤紙が届けられているという有様だ。
しかしそのストーカーに交換条件は出せないだろうか?
いや交換条件を出せなくてもそうするように仕向ければ・・・。
そう考えたとき、オレの行く手を阻む黒い霧が晴れていくのを確かに感じた。

「・・・いいだろう。会うだけ会ってやる」

オレはそう言うとすばやく服を着て出かける準備を整えた。
偉そうな口調なのは暴走した後遺症だとか地の性格だとか、そんなことはない。たぶん。
少しでも交渉の主導権を取れるようにするためだ。
この手の交渉では弱気な態度は相手に付け込まれる。

「オレがアンタのご主人様のところに行けば2人は返してもらえるんだろうな?」

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