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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 53


ぎゅっ・・・、

抱擁。それがミミの出した答えだった。
目頭が熱くなった。快楽を求めての答えではないのがわかったから。
キスも何もせずにただ抱きしめているのがその証拠だった。
涙が一筋、流れるのとドス黒い心の獣が放たれたのはほぼ同時だった。
そこから先のことはよく覚えていない。
覚えているのはメスと化した女の歓喜の叫びと途絶えることのない快楽。
そしてどこか幸せそうに微笑むミミの笑顔だけだった。
・・・あれ?ミミ、おまえそんなに背高かったっけ?

さて、ここで話はカグラの部屋に切り替わる。
そこはラグと対面した厳かな大広間までなく、彼女が私室として使っている部屋だった。
カグラはソファーに腰掛けながら、魔法である一室の状況を眺めていた。
映っているのはもちろんラグの部屋。
そこではラグとミミ(+α)による甘く激しい一時が繰り広げられていた。

「・・・・・・・」

カグラはしばらくそれを眺めていたが、やがて魔法を解除して、物思いにふける。
やや暴走気味のところがあるものの、性欲は旺盛。
この分なら生殖能力の有無はすぐにわかるだろう。
問題は彼の存在がなぜ禁忌とされていたのか、ということ。
強い死者から強い生者を作ることは古来より禁忌とされていた。
しかしその理由は魔王代行である彼女ですら知らないのだ。
だが、それでも彼を作らざるを得ない理由もあった。
この迷宮にオスがいない今、自分たち魔物を導く力と希望の象徴が必要であった。
そして、何よりここ最近『外』に住んでいる魔物と次々と連絡が取れなくなっているのだ。
考えたくはないが、最悪の状況も考えなくてはならない。
もはや自分たち魔物が生き残るためには、手段を問うてはいられないのだ―。
しかし彼の存在自体が『禁忌』なのもまた事実。
自分のした行いは正しかったのか、あるいは間違っているのか。
山積みとなっている問題をカグラは不安と迷いを拭い去ることができずにいた。

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