モンスターハーレム 32
「そのぐらいにしておけオルグス。まだ続けると言うのなら、私はお前を斬る事になるのだが?」
突然後から朱い武者が出てきやがった。
「ロカ・・・殿」
「魔王代行直属とは言え、所詮お前は一兵士。
それが『将』である私とカグラ様のご意向に逆らうと?」
「い、え・・・」
心底悔しそうな様子で答えるオルゾス。
あのオルゾスを怯ませるとは、アイツはいったい何者だ?
そんなオレの考えをよそに、ロカと呼ばれた赤武者とオルゾスのやり取りは続く。
「おい、ミミ。
あの赤武者は一体誰だ?」
奴らが言い合いを続けているスキに小声で尋ねる。
「い・・・いえ、知りません。
私は唯の雑用ですから、上の方々のことなんて何もわからないんですぅ・・・」
役に立てなくてごめんなさいと言わんばかりにウサミミをへたれさせるミミ。
念のため、リザにも目を向けると・・・。
「ろ、ロカ様だ。く、詳しくは私も知らんが、前線で我々警備部の陣頭指揮を執っておられるという方だ。
し、しかし何でそのようなお方がここに・・・?」
わけがわからない、といった様子で説明をしてくれた。
まったく役に立たねーな。
再びカグラたちのほうに目を向けると、まだ2人は言い争いを続けていた。
もっとも、圧倒的にロカが優勢なので言い『争い』とはいいがたいが。
「いくら気に入らないとは言え、我らの希望を殺すとは聞き捨てならんな」
「そ、それは言葉のあやと申し上げているでしょう!?
私は単に『種』の実力を知りたいからこそ、『種』をけしかけただけです!」
「ならばお主が直接出ればよかろう?」
ぐっ、と言葉に詰まるオルゾス。
しかし彼女もあきらめない。