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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 26

話の最後の方、カグラは泣いていた。掠れそうな声を振り絞っていたのはいうまでも無いだろう。
「魔王代理が泣いてんじゃネェよ。・・・それに俺はあんたの夫でもネェ。」
「・・・ごめんなさい。・・・覚悟はしていたはずなのに・・・。貴方は私の夫じゃないと判っているのに・・・。只、姿形が同じなだけなのに・・・。でも・・・。」
玉座を立ち、おぼつかない足取りで夫の姿をしているだけの者に近づき、抱きつく。
「・・・っはぁ。ったく、いい迷惑だ。・・・今だけな(ボソ)」
「・・・うぐっ、グスッ、ううっ、っ〜〜・・・。」
よし、このまま・・・。
そんな邪な策略を張り巡らせていたその時だった。
ひゅんっ・・・!
「うおっ!?」
「ご主人様!」
オレの首筋に槍やら剣やら数本の刃が押し当てられていた。
「カグラ様から離れろ・・・」
深く、静かに。鎧兵士の1人がつぶやいた。
ヤバい。頭の中で警報がガンガンと鳴り響いていた。
何がヤバいって彼女ら鎧兵士たちから放たれるその殺気だ。
怒りを通り越した殺気。
それが彼女たちからあふれ返っているのだ。
オレは極力彼女らを刺激しないようにゆっくりとカグラから離れる・・・が。
ドンッ!
離れた次の瞬間、兵士たちに突き飛ばされていた。
「ご主人様!」
いきなりの展開に固まっていたミミがあわててオレを介抱する。
「大丈夫ですか?おケガは?」
「ああ、たいしたことね・・・?」
そこまで言って初めて気がついた。
この広間の異様な雰囲気に。
それは混沌、と言えばいいのだろうか。
ある者は歓喜を、ある者は嫌悪を、またある者は戸惑いを。
ありとあらゆる感情がそこにはあった。

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