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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 213


――――

再び所変わって、今度は魔王反対派本拠地。

「・・・魔力が消えた、か」
「すっごい魔力だったわね〜。兵士たちが引きずらなきゃいいけど」
「我が同胞にそのような軟弱者はいない」

そんなことはありえない、とサークが言い切る。
実際キュリエルも冗談のつもりで言っていた。
ここにいる兵士たちはどれもサークによって選ばれ、鍛え抜かれた精鋭たちだ。
逃げるのはもちろんのこと、動揺したところを見られれば、その場で極刑に処されかねない。
キュリエルはサークの様子を見ながら、これからのことを考える。

(んー・・・。禁忌の魔王クンが絶望的な状況下、どうあがくのかを見たくってここに来たけどぉ・・・。
 予想以上におもしろいヒトみたいね。
 少し興味が出てきた、カナ?)

正直テスが出撃したときは、これでお楽しみもおしまいかと思った。
しかし彼は生きているどころか、テスを取り込んだり途方もない魔力を見せたりといろいろおもしろいことになっている。
だが彼の快進撃もこれまでだろう。
サークが出たら、間違いなく迎合しているテスたちもろとも殺される。
だがせっかく見つけたおもしろいものを黙って消えていくのを見ているほど、彼女はお人よしではなかった。

「ねーねー、サークちゃん♪お願いがあるんだけどぉ〜」
「・・・何だ」
「どうせ、サークちゃん、あのコ殺しちゃうんでしょ?
 だったら私にくれないかなぁ〜?」
「どうせ殺すなら思い切り楽しんでから、ということか?」
「そうそう♪ねっ?サークちゃん、いいでしょお〜?」

極めて軽い調子で、物騒なお願いをするキュリエル。
それに対し、凶将サークは・・・。

「・・・よかろう。だが遊ぶのはほどほどにしておけ。
 あまり遊びが過ぎると身を滅ぼすぞ?」
「・・・あら?ずいぶんとアッサリ許してくれるのね?」

あまりに簡単に許してくれるものだから、キュリエルはいささか拍子抜けしながら訊ねる。

「遊び好きな貴様のことだ、止めても聞くまい?」
「やんっ♪サークちゃん、わかってるぅっ!」

キュリエルは嘆息混じりに答えるサークに、うれしそうに飛びついた。
もっとも彼女は馴れ合いはゴメンだとばかりに、すぐにキュリエルを引っぺがしたが。

「ほら、遊ぶならさっさと行け。
 早くしないと、また血気に盛った部下が暴走するかもしれんぞ?」
「あ、それはつまらないわね〜。じゃ、早速行ってきますかっ!」

キュリエルはそう言うと、明るく手を振りながら部屋を出て行く。
1人だけとなったサークはキュリエルがいなくなったことを確認すると、ふっとほくそ笑む。

「せいぜい楽しんでくるといい。こちらの支度が済むまでな」

彼女のつぶやきは誰にも聞こえることなく、闇の中へと溶け込んでいくのであった――。

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