モンスターハーレム 189
・・・いや、違うな。
テトたちのあまりの変化に、まだ心の整理が追いつかないのか。
「き、貴様、何をしようとしているのか、わかっているのか?
私がいなくなれば、お前に協力するものなど1人もいないのだぞ!?」
パンッ!
「・・・え・・・?」
『あっ!?』
小気味よい音にオルゾスたちは驚き、サルスベリは何が起きたかわからない様子でこちらを見る。
まぁ、これだけ恐れられている女だ。
ほっぺたをひっぱたかれるなんて初めてなんだろう。
あ、いかん。暗い衝動があふれそう。
オレは理性を保ちつつ、サルスベリの顎をつかむ。
「落ち着いたか?」
「・・・貴様、命が惜しくないらしいな。
それとも貴重なモルモットだから殺されないとでも思っているのか?」
オレの張り手で幾分冷静になったサルスベリが憤怒の形相で睨み返す。
その殺意と憎悪に満ちた表情をオレの手で屈服させるかと思うと、ますますドス黒い感情が心に満ちてくる。
「ま、そう言うなよ。
そっちは持て余した性欲を何とかしたい。
オレはナマイキなアンタを屈服させたい。
ここはギブ&テイクで帳消しにさせてくれや?」
「虫のいいことを・・・!
いくら性欲を持て余しているとは言え、私がそう簡単に屈服すると思うのか?」
「するね」
即答。あまりにハッキリした言葉に、サルスベリも一瞬言葉を失う。
コレは予言などというたいそうなものではない。
ただの、カン。
この女は自分の子供を産むための道具となる、漠然としたただの予感だ。
これまでに幾人もの女を抱いて自分のモノにしてきた事実が、オレにそんな予想をもたらしたのかもしれない。
「ならやってみろ。
強者に従いたいと思うのは女だけではないとその身にとくと刻み込んでやる」
「安い挑発だな。そう言えばオレがキレて襲うとでも思うのか?」
「何だ、怖気づいたのか?」
オレはサルスベリを無視してシェーシャたちに命令する。
「おい、おまえら。コイツらをたっぷりとかわいがってやれ。
ただし絶対にイカせるな。
その直前の状態を維持し続けるんだ」
『なっ・・・!?』
その言葉にサルスベリだけでなく、オルゾスたちも驚く。
一方、忠実な奴隷に生まれ変わった3人は子作りできないことに、少々不満げなご様子だ。
「おいおい、そんなにガッカリするな。
奴らに挿れさせてくださいと言わせたら、ほうびにオレの子種をくれてやる」
『ホントですかっ!?』
シェーシャ・アガサ・レナスの3人はうれしそうな声を上げる。
「ああ♪ただしおまえらが相手している間、オレは牝獣の相手をして待っている。
早くしないと大事な子種がなくなるからな?」