モンスターハーレム 175
興奮状態の頭に、あの思い出すのも忌まわしい感覚を冷や水代わりにブッかけられたせいで、痛覚が戻ったのだ。
オレは目覚めたばかりのときと同じように、激痛の連鎖にしばしもがき苦しむ。
悶えるオレの様子に、サルスベリはため息を1つついて部屋の棚から1本の注射器を持ってきた。
「やれやれ・・・。
これから楽しい時間が待っているというのに、貴様はいったい何をしているのだ?」
い・・・いや、楽しいのはたぶんアンタ1人だけだと思うからっ・・・!
オレは痛みに身悶えながら、心の中でツッコミを入れる。
・・・つーか、その見るからに怪しい薬は何デスカッ!?
「ほれ、私特製の痛み止めだ。
さあ、さっさとあちらの部屋に行こう・・・!」
ゾクゾクゾクッ!
ひ、ひいっ!?や、ヤバい!
何か知らんけど、今のサルスベリはヤバい!
い、今のコイツに従ったら死ぬような気がするっ!
しかし痛みの消えないオレは、なす術もなく注射器を刺され、中の怪しい液体が体内に注がれた。
そしてサルスベリは問答無用でオレの首根っこをつかむと、何ともうれしそうな表情で先ほど指し示した危険度MAXの部屋へと連れ込むのだった。
サルスベリは部屋に入るなり、いきなりオレを真正面に向かって放り投げる。
オレの体は見事な放物線を描きながら、やわらかいクッションの上に着地する。
「ててて・・・。いきなり何しやがんだ、このクソア・・・マ・・・?」
文句の1つでも言ってやろうと起き上がったオレの目に飛び込んできたのは、野戦病院を思わせるような殺伐とした獣たちの治療光景だった。
「男・・・男ぉぉっ!!」
「落ち着け!
もうすぐご主人様があなたの処女を奪い、子種を授けてくれるっ!
あの忌々しい人間の治療が終わるまでガマンするんだっ!」
「おい!この患者に睡眠薬と鎮静剤を持って来い!」
「んふっ・・・クチュ・・・ふあっ!?」
・・・正直、絶句した。
そこには悲痛な声を上げながら、男を求める傷だらけの女たちがいた。
中にはガマンできず、血まみれ傷だらけでレズっているヤツもいる。
ラムレーネやリザたちが必死に看護しているが、圧倒的に人手不足で手が回らない状態だ。
そんな中、サルスベリが実にうれしそうな表情を浮かべて歩いてくる。
「・・・驚いたか?ここにいるのはオマエの犠牲者の一部だ。
症状のひどい連中は前にお前が使った調教部屋に閉じ込めてある」
「ま、まだ他にもいるのか?」
「安心しろ。
今はそこにいる狭霧の治療をしてもらわねばならん。
ほら、早くどいてやれ。
ただでさえ、毒が効いて弱っているんだからな」
「・・・へ?」