モンスターハーレム 152
『なぁ、テスってのはいつからそんなに死にたがったんだ?』
それはオレが正気を保っていたときの記憶。
薬を飲む前、オレはサルスベリに何気なく聞いたのだ。
『さてな。ただ大戦前はそうでなかったということは、カグラから聞いている』
『・・・ってことは将軍ってのは、その大戦とやらの生き残りのことなのか?』
『さてね。あいにくそれ以上のことは知らんよ。
さ、無駄話はこれまでだ。
君のパワーアップを始めるぞ』
・・・わかったぞ。
コイツは何で死にたがってるか。
たぶん戦争か何かで、恋仲にあった主人を失ったとかして、今の性格に変わってしまったんだ!
「ゥルルルルルルル・・・!」
「ひぐっ!?う、くあぁあぁぁッ!?」
オレはそれに気づくなり、迷わずテスの急所に更なる探りを入れ始めた。
急所への責めが激しくなったことでテスは、身体をのけぞらせ、痙攣しながら身悶える。
普通なら、ここで同情して説教を始めたり腫れ物を触るような態度をしたりするのだろう。
しかし暴走したオレの心に芽生えたものは・・・歓喜だった。
オレが生まれる前より練り続けられた極上の魔力。
主人を失ってなおも命令に従い、生き続ける人造の魔物。
こんなに壊しがいのあるオモチャが他にあるだろうか!?
子供が無邪気にトンボの首を引き千切るような。
蝶の羽をむしりとるような。
アリの巣に熱湯を流し込むような無邪気で残忍な何かが、オレにテスの大切なもの全てを奪ってやれとささやいていた。
「うッ!?くっ、あうあぁぁああっ!?
き、貴様ッ・・・!まさ、があぁあぁッ!?」
ますます激しさを増していく急所への責めに、テスは何かを察したようだ。
殺意と憎悪のこもった視線で抵抗を始めた。
だが事前に魔力と血をたっぷり吸われた身体では、動かすことすらままならず、まな板の上の魚のごとく暴れるのが精一杯だった。
それがオレに更なる歓喜と凶行に走らせるとは思いもせずに。